P さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
復讐をどう捉えるか
・犯罪者に対する扱い方
犯罪者や悪者を出すアニメは沢山あります。
出てこないのはほのぼの系位ではないでしょうか。
程度はあれど、対応次第で印象が変わってくるものです。
本作の犯罪者達は「精神鑑定で罪には問われず、どうせすぐ出てこれる」という主張しており、現代の日本へ一石を投じているように感じました。
現実でもひどい事件だなーと調べてみたら、未成年の時に殺人を犯していた、みたいなケースありますしね。
再犯対策でアメリカだとチップを埋め込んだりしています。
より多くの人が、おかしいと気付き、感じる世の中にする為には良い作品だったように思います。
まぁそれでも可哀想だし、見ていてストレスではありますが…
あくまでも面白いかどうかは別にして、という事です。
・断罪者
怪人二十面相が犯罪者達を裁いていきます。
具体的には被害者と同じ死に方をさせます。
怪人二十面相の警官が捕まるも、模倣犯が続くといった設定でした。
いくら妹の敵で可哀想だとしても警官だし、何もしないというわけにはいかないといった所だったのでしょう。
ここからはこのアニメがそういう事柄に対してどう対応したかという話になります。
全員捕まえるのではなく、復讐を果たしてそのまま外で生活し続けている人もいる態にしていました。
また二十面相の模倣犯が増えた事で他の警官から、そっちの方が正しかったのではないかというセリフが出てきます。
これは捕まった警官に対してでしたが、感慨深いものがありました。
色々と被害者側に配慮されていたのではないかと思います。
・数式
行動を数式で予想出来る設定でした。
頭が良い事を表すのに数式を使うのは悪いとは思いません。
ただ、馬鹿っぽく見えてしまいました。
数式で電話かかってくるとかわからないでしょ、何言っているの?と。
・対象世代
若い世代が対象だったのではないかと思われます。
アケチが学年1位の成績で、喧嘩も強く、学校にも行かなくてよい特別待遇等、厨二感がありましたしね。
セリフで言えば「人々の心の中に、暗黒性という傷痕が残るんだ」が1番気になりました。
・無責任な大人達
同級生からのいじめもひどかったのですが、マスコミや警察や親などもそう描いていました。
作風が子供目線だったからか、過剰表現ではないかなと感じました。
ややしらけました。
・先輩警官
最終話エンディング中の「みんなでさ、適当に頑張っていこうよ」というセリフはなかなか深いものがあるように感じました。
後輩が若くして真面目にやり過ぎた為、犯罪者から反感を持たれたのではないかという伏線を直接的な言葉でなく回収している所は感動しました。
・話の終わらせ方
善悪でなく、友情に視点をずらしていて上手く終わらせていました。
その後のエンディングで世の中がどうなっていったか書かれていたし、それをアケチみたいな犯罪者を捕まえる側の人間に言わせなかったのがよく出来た所なのかと思います。
アケチがやっている事が全て正しいとは限らないし、それで全て解決されるわけでもない。
加害者が被害者の場合もある。
そういった所を考慮した上で作られたのだなーと。