HAKU さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
まさに別格!
放送当時は、自分の勘違いで途中で観るのをやめてしまったのです。
ヴァイオレットが本当の人形で、ドールの方々も本当の人形で・・・その人形の実ることのない恋物語だと思っていました。
それは重たすぎるなぁ・・・観るのやめよってなってしまったのです。
自分とは同じではありませんが、低評価で途中で断念という方は重たい内容が予見されたからこそ観るのをやめたのだろうと思います。
本作を改めて観ようと思った理由は、「神様になった日」のレビューで、ヴァイオレット・エヴァーガーデンの10話が度々登場していたからです。
そして、そのどれもがあの話は素晴らしかった!というようなレビューでした。
これは、途中で観るのをやめてしまったのはもったいなかったのでは?と思い、わざわざネットフリックスに登録して一気観しようと思ったのです。ちょうど長期の休みでしたしね!
そしたらもう、映像美の嵐です!
映画だっけ!?って思わせるような海、水、花、髪、表情・・・・どれもこれもすばらしい!
京アニは映像美に定評がありますが、本作は特に素晴らしかったです!
それに、物語の濃厚さ。
だいたい1話完結なのですが、たったの1話なのに、登場人物への感情移入がすごい!
それは、ちょっとした表情の変化であったり、間であったり、音楽の入れ方であったりが、緻密に考えられて、丁寧に作られたからなのだろうなと感じました。
放送当時はあにこれの存在を知らなかったけれど、もし知っていて、観るのを途中でやめていなかったら、1話1話しっかりレビューしたかったなと思いました。
今回は一気観したいという衝動のが勝ってしまったので、それはできませんでしたが(笑)
原作がしっかりしているのはもちろんだと思いますが、それを1話の中にしっかり落とし込んで、視聴者を物語に没入させる技術は流石の一言です。
最終話くらいには泣くかもしれないって思っていたら、3話くらいからボロボロ泣いてしまいました。
しかも、そこからほぼ毎話・・・(笑)
今改めて泣いた場面を観ても、いい場面だけど泣くほどではありませんでした。
きっと、その場面に至るまでの物語込みでの感動なのでしょう。
こんなに素敵な作品を途中で観るのをやめてしまっていたなんて・・・悔やまれる!
特に、王女と王子の話、好きです。
シャルロッテと王子の話に見せかけて、シャルロッテとアルベルタの話だったようにも思えます。
恋愛ってよりも、家族愛に自分は弱いのです。
シャルロッテは王子の下に嫁いでしまって、きっとアルベルタと会うことができないだろうけど・・・シャルロッテは結婚を選ぶ。
シャルロッテが生まれた時から今まで育ててきたアルベルタにとって、シャルロッテが嫁いでしまい自分の下から去ってしまうことはとても寂しいことだろうに、彼女の前で泣いてしまっては門出を邪魔するであろうと想いから涙を決して流さないアルベルタ・・・そこがもう・・・!
件の10話もよかったです。
ヴァイオレットに懐くアンちゃん、でもそれは母親に構ってもらえないが故の代替行動であり、どこまでいっても母親への愛に溢れるアンちゃんの姿、そのアンちゃんが寂しくならないように、遠くの人=未来のアンちゃんに手紙を書くお母さん。そして、2人の前で泣くことを我慢していた、人の心が少しわかるようになったヴァイオレット・・・そりゃあ泣けますわ!
その他の話もとてもいい話でした。
ツッコむところもないわけではありませんが、それを補って余りある魅力と技術に溢れた本作品を2020年の最後に観ることができたのは最高です。
1年の締めくくりに相応しい作品でした!