宇宙開発長門有希 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
近未来SFの総まとめ
関東(統合四面体)が関西を支配する世界である。統合四面体は個人情報を全てデーター化し量子コンピューターでシミュレートする世界である。AIが作る仮想世界と現実の社会の齟齬をなくすため、生身の人間の集合体のデーターが常に必要である。関東を生かすために関西の人達にはデーターの養分になってもらわなければない。肉体の開放(人間のデーター化)をめぐって関東と関西の人達が戦争があり勝った方がデーター化し肉体からの解放の世界を選び負けた方がシミュレートのための養分となる取り決めが合ったのかもしれない。だとするとあの新幹線は統合四面体の成長に欠かせない人間を関西から関東に運ぶためにもあるのだろう。いやそれよりも、そもそも関東と関西の戦争など存在せず、第三次世界大戦後生き残った日本人が統合四面体の一員として生きるか、生身の人間として生きるかの選択をさせられたのかもしれない。生身の人間として生きることを選択した日本人は人間が住めるまで除染された今の大阪の地で生き、データーとして生きる選択した人は東京の焼け野原に浮かぶ統合四面体の一員として生きることを選択したとも考えられる。この物語はその選択後の数世代後の世界だと考えれば辻褄があう。関東が関西に戦争に勝ったという洗脳は生身の人間たちが統合四面体に憎悪の念を抱くのを防ぐためのものだろう。データー化された人間と生身の人間との最大の違いは痛みを伴う命の燃焼が出来るかどうかだ。選ばれし7人のアクダマはそれを全うしたといえる。それゆえ彼らは生き生きと生命力に溢れていた。
攻殻機動隊 beatless サイコパス アキラなどの近未来SFアニメを思い出しながらこのアニメを視聴した。クロネコが出たときはペルソナ5を思い出して全員生き残ることを予想したが真逆の結果となった。己の主義のために生きるのも生身の人間の特権とも感じた。