fluid さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
なぜかタヌキの姿に、その病気を治したいと願う女の子
1話の終わりで明かされる「私は人間、人間だったの!」というシーンを見てから、話が一気におもしろくなりました。しょうじき、よくあるバトルもの、ケモノもの、だろうなと思って見るのを避けてました。1話も最後になるまでまったくおもしろくない、、はずだったのに、え?人間なの?と。それを知ってから、また1話の最初から再視聴しました。
するとあら不思議、1話がとても面白い。ケモノが人間から迫害され追いかけられ、ケモノがケモノの楽園にたどり着くという、退屈でありきたりな話だと思ってたのに、そうではない。人間なのになぜかタヌキ化して、元に戻れず、人間なのに人間に追いかけられ、ふつうに生活ができなくなり家にこもる。人間なのにケモノの楽園で生きていくことを決断して、人間なのにアニマシティを目指して旅をする、まるで家出少女のような。足取りの不安な人間の女の子の姿がそこに在りました。かなり共感できます。
2話以降も主人公がとてもおもしろいですね。ふつうのアニメならすごい能力を手に入れて敵と戦うだけですが、この主人公はその能力を嫌い、人間に戻ることを願い、また人間としての生活を取り戻すことを望み、自分のタヌキの姿をキモイとすら表現するコメディ描写はシュールでかなり笑えます。いや、キモイってそれ自分のことやろ!と思わずツッコミを入れたくなります。
1話の最初で人間だと明かした方が良かったんじゃないでしょうか。たぶん同じ理由でこのアニメをまだ見てない人多いと思いますし。いまどき、ありきたりな獣人設定やバトルだけで1話目を乗り切るのは無理があると思います。公式サイトにも普通に人間だと書いてありますし、なぜ1話の最後まで引っ張ったのか。かなり損をしてます。
人間にとてつもない怒りを向ける謎のオオカミ獣人と主人公のペアがまたおもしろい。人間が嫌いなのにタヌキ化した主人公の事はどうおもってるのか?とか。基本、無口なので次の展開が予想できない謎めいた感じとか。怖そうに見えて主人公のタヌキに対してとても親切にしたり、良い味出してます。あれ?おとうさん?みたいな。
主人公が怪物に変化して、差別する側からされる側になるという世界観は「亜人」「寄生獣」「東京グール」とか、類似作品が多いですね。でもこの作品は他と違ってコメディ描写が大部分を占めてるので楽しめました。笑いがメインと言っても過言ではない気がします。{netabare}
・手が届くはず無いのに必死に伸ばし続けて「うわああ、なんか伸びた、きもっ」(笑)自分の手がすごいことになってるのに軽い感じで、いかにも女子高生という感じ。それ、レバーじゃないです!人です獣人ですよミチルさん!まてまてと思わずツッコミを入れたくなるシーン。
・野球のときは、可愛らしい無表情のくま達の顔面に球がめり込んだり、ミチルの腕がゴリラみたいになったり。動物が人間のようにスポーツするみたいな、絵面からしてシュールですね(笑)潘めぐみさんが演じるジャッキーの鼻声と棒読みがツボでした。(ハンターハンターの主役の声)野球は嫌いですがこれはおもしろかった。
・ジャッキーと浄水器。詐欺。泥水がぜんぜん綺麗になってないのに喜んで使い続けるジャッキー(笑)ふつう色で分かるやろ!シュールですね。
{/netabare}