シャベール大佐 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
腐りきった階級社会を憎む主人公が、復讐の手助けをするクライムサスペンス
シャーロック・ホームズのライバルキャラとしてお馴染みのモリアーティ教授を主役にしたクライムサスペンス。全11話。
19世紀末のイギリスが舞台。物語は、少数の貴族が当たり前のように大多数の平民を差別して虐げる、腐りきった階級社会を憎むモリアーティが、犯罪コンサルタントとして、貴族の被害にあった平民の復讐を手助けしていく、みたいな感じ。1つの事件を毎回1~2話で描いていく形式です。モリアーティは、その志が正しいかどうかは別にして、やっていることは犯罪であって、決して正義ではありませんが、この作品に登場する貴族たちは、見事なほどクズだらけで同情の余地がないので、彼らが非合法に成敗されることも、まあしょうがないよね、みたいな感覚で眺めることができました。個々の犯罪の手口などは結構ガバガバだったりもしますが、ダークヒーロー的な魅力は十分にありますし、作画や演出も含めた全体の雰囲気もかっこいいので、ミステリー系の作品というより、もっと広い意味でのエンターテイメントとして、とても楽しめました。特に、モリアーティの少年時代を描いた過去編は、エピソード自体に迫力がありましたし、キャラの掘り下げとしても非常に効果的だったと思います。
作画は、人物も風景も、綺麗に描けていました。音楽は、OP曲が作品の雰囲気に合っていて良かったです。
最後まで観終わって、個人的には秋アニメのなかでも、かなり好きな作品でした。中盤にホームズが登場してきて、さあこれからどう展開していくんだろう、というところで今回は一旦終わっていますが、この続きは21年4月から放送予定とのことなので、そちらもとても楽しみです。