テナ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
冒険者とモンスター
人気作品の3期シリーズ。
今回は特に考えさせられるテーマかもしれません。
この世界ではダンジョンに潜りモンスターを討伐して報酬を貰って居ます。
しかし今回、ベル君達が出会ったのは喋るモンスター達。
彼らからすれば、モンスターは討伐対象で倒すべき相手ですが、喋るモンスターに出会ってしまった事でベル君は迷いがでます。
これは少し考えると確かに迷いが出る気がします。
モンスターには理性がないと思って倒していたけどモンスターの中には理性があるモンスターもいた。
同じ様に心があって
同じ言葉が喋れて同じ物が食べられる
同じものが見えて
喜びや悲しみを分かち合える…
ただ違うのは見た目だけ。
これも一人一人の考え方が感じ方が変わるテーマですよね。
ベル君達も最初は戦っていましたが直ぐに打ち解けて友達?になれたりしましたよね。
モンスターだって人間だって手を取り合う事を証明した結果だと思います。
ただ、作中でもありましたが、情を持ちすぎると危険でモンスターを狩れなくなる可能性があるからです。
それは一歩間違えると自分も仲間も危機に陥り命を落とす可能性があります。
今回出会ったモンスターのリドもそれは言っていました。
そして、それを知ってもモンスターを狩る事を辞めないハンターギルド。
この世界では闇ギルドとは言えモンスターを狩る事で生計を立ててたりもしますから、そう言う人達もいますよね。
そして、ベル君はこの話をアイズさんにもします。
アイズさんの答えも…誰かがモンスターのせいで泣くならモンスターを倒す。
でも、アイズさんの答えは凄くいいものです。
言葉通りならモンスターを倒すけど裏を返せばモンスターが誰かを傷付けなければ無理に倒さないと言う事です。
それにモンスターだって人が襲ってくるから襲うのかもしれません。
だから、そうした線引きの上で仲良くなれるなら仲良くなったモンスターと仲良くするってのが一番良いのかな?
人間にもベル君の様な…モンスターにもリドの様なモンスターや人間をお互いに思い合える者達もいるのですから。
私が1番好きなシーンがモンスターのウィーネがベル君を大好きで戯れてくるのですが爪が長過ぎてベル君を傷付けてしまうのです。
それを悲み凹むウィーネを優しく許してくれるベル君、このエピソードは凄くほっこりしますね(´艸`)*
物語で私がベルが強い人だと思ったのはウィーネが暴走をして街へ出てしまった物語。
途中、ロキファミリアが介入して来ます。
絶対絶命です。
ロキファミリアを相手にしたらハッキリ言ってベルは瞬殺です。
しかも街の人もモンスターを睨んでいて空気的にも絶対絶命…
でも、ベルはウィーネを守る。
小さな身体で手を広げて守る。
これはを見て皆んなは愚者だ愚者だとベルの事を言います。
確かにそうです。
街人も他のファミリアもベルがモンスターを守る理由を知らない。
そんな人達からみたベルが向けられる目は当然だし何も悪くない。
当たり前の事で間違えなくベルが可笑しいのです。
ベルは愚者には変わりない。
多分、ベルが説明しても解ってくれないと思います。
話を聞いてくれる人は少なくて、理解してくれる人は更に少ないと思います。
自分より強い人達に睨まれて、周りの人から睨まれてベルは本当に怖かったと思います。
一番楽なのはあの場所なら離れて後を任せるのが一番楽だと思います。
街で暴れるモンスターを討伐するは当然で他者から見れば正解なのです。
でも、ベルは立ち向かう。
他者にとって正解はベルにとっての正解じゃないから。
彼は知ってるから…凶悪なモンスターもいるけど優しいモンスターも人と仲良く出来るモンスターも居るから。
それに今回の事件の元凶は人間側にあるから…
周りに理解される事より…自分が愚者になる事より…そんなもので家族を失いたくはないから…だから彼は立ち向かう。
ウィーネ達を友達を家族を救う為に。
本当に凄いです。
あの状況でベルがモンスターを守る理由はヘスティアファミリアの全員が理解はしていました。
でも、彼らは動けませんでした。
ベルが手を広げて守る姿に加勢が出来なかった…
大抵の人は、そうだと思う…自分のこれからや仲間のこれからを考えてしまうから、守る事が本当に為になるのか…
私もあの場に居たら同じでしょうね…動けないと思います。
でもベルには、それが出来る。
別に考えなしな訳でもないし、愚者だからでもない。
そこに守りたい家族にはがいるから、モンスターでも人間でも守りたいものは揺るがない!
それが一つの勇気であり彼の本質!
あの切り替えしは流石でしたね。
自分の獲物だと言い切る事で多少の時間を稼ぐ事が出来ました。
それでも最終的には冒険者に襲われてしまう。
だから、ベルは冒険者も攻撃しちゃうけど、それは必死だから、どうしても守りたくてついつい。
それでも最後は奇跡が起きます。
これは、happy endです…よね?
考え方や見方で変わるかもしれません。
ベルの守りたい者と大勢の人の守りたい者…
守る者があるからぶつかる戦い。
考えさせられる話でした。
でも、ベルの守ったものは確かにそこに在り
ベル自身も救われたものがある気がします。
それはウィーネの助けに来てくれて嬉しかったって言葉…それだけでも守ろうとした意味がある気がします。
そして、ベルズの奇跡…800年成功しなかったのは多分何かが足りなかったから…それは…多分ベルの守りたいものの中にあったのかもしれません。
そして、最後にエイナさんからベルはビンタをされます。
それでも、彼女は抱きしめてくれた。
彼女の「信じないから」には沢山の想いが込められている気がします。
それはベルのこれまでがあるから…理由が、わからなくても解ってくれる人はいる。
味方になってくれる人もいる。
そんな中、ベル所属のヘスティアファミリアは白い目で見られる。
ベルは自分だけ言われるなら良いけど仲間が言われるのが一番辛い。
これは、解りますね。
自分がした事だから自分は覚悟してるけど、それで周りの人を責められると心が痛いです。
でも、一番怖いのは仲間の気持ちを聞く事。
この場合は絆が強いほど答えが怖く聞きにくいでしょうね。
それでも、理由は解らなくてもベルを信じてくれる人は居るし、仲間も同じ気持ちだった。
一緒に協力してウィーネ達を逃すけど街のファミリア達は殆どが敵で、中でも厄介なのはロキファミリア。
それでも他のファミリア達の中にはベルに協力してくれる人たちの姿が見えました。
このシーンはベルを信じてくれる優しさやベルが今まで積み上げた信頼の成果かな?と思えたシーンですね。
そんな中、ウィーネが女の子を救うシーンがあります。
ベルとウィーネは人間とモンスターです。
普段は殺しあう者同士。
それでも、ベルはモンスターの為…ウィーネの為に助けようとしてくれた。
そして、ウィーネも人間を助けたいと思えた。
ウィーネからすれば自分を襲う者の種族…見捨てても仕方ない…でも、彼女はベルの姿を1番近くで見ていた。
ベルはどんな状況でもモンスターの為に助けようとしてくれて、それが嬉しい事を知っていて…手を伸ばした。
それを見たティオナはウィーネを見逃してくれる。
やっぱり解ってくれる人は解ってくれるのですね。
ステキなシーンですよね。
さて、VSアイズでのやりとりも印象的でした。
彼女はウィーネの爪が翼が額の結晶が人を傷つけ恐怖を与え殺すと言う。
だからと言ってウィーネの取った行動は子供の発想だと思いました。
ベルは守りたくて戦ってくれているのに自身の爪を剥ぎ取って翼を引きちぎるだなんて。
爪を剥ぎ取れば傷つけないですむ。
翼を引き千切れば人を怖がらせない。
額を外さなければ暴走しない。
だからって翼を引き千切ったり爪も剥ぎ取ればいいだなんて…でも、それは誰にでも出来る事ではなくて決して自分を傷付けるなんて褒められた事でありません…それでも彼女はそれを知った上で、その選択肢を選んだ。
それだけの覚悟と決意の現れだと思います。
彼女が一番怖いのは傷つけられる事?殺される事?…それはベルが傷つけられる事。
でも、それはウィーネの覚悟の表れでした。
アイズもそれに心を打たれてしまいます。
そうして、ウィーネ達は逃げ切ることに成功するのですが…最後にあの神が…
さて、ラストの戦いも実物でしたし3期は中々面白くて楽しめました。
結局、ベルは何を守ったのか…
それはモンスター達ですね。
でも、私は気づいたのです。
ベルが守った先の未来の可能性。
それは、ウィーネが女の子を救うシーンを見た時に。
冒険者はこれからもダンジョンに行きます。
モンスターと戦い命の奪い合いです。
そんな最中に例えば冒険者が傷付いた時にその命を助けてくれるかもしれない。
そして、いつかモンスターを理解してくれる人が増えるかもしれない。
そんな未来がいつか来るかもしれない。
ベルの気持ちと行動を見たモンスター達の心の中にも確実にその気持ちは芽生えているはずなのです。
だから、ベルが守ったもモノはモンスター達と冒険者の未来と1つの可能性なのかもしれません。