おかむ さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
前作よりやや低空飛行……。
前作がどちらかと言えば、終始重い雰囲気であったのに対し、今作はやや明るめの印象を受ける。
物語的には前作同様に戦争を基軸にしつつ、空族の少女達の成長や葛藤に焦点を当てている。
またそれと対比させるようにヒロイン達と王族の少女、軍人の少女との間に生まれる憎しみや友情を描いている。
また前作に満ちていた主人公達の小型飛行艇の愛機に対する思いや泥臭さ等はやや薄れた印象。
空戦や小型飛行艇の飛行等の描写は相変わらず丁寧で好印象。
しかしながら全体的に一本の筋が通っていないふわふわした印象を受けた。
声優は今人気のある役者を集めただけの印象。
別段違和感等は感じなかったが、特に好印象は無い。
しかし引き続き前作から参加している声優陣の成長を感じさせる点は、一見の価値有りだろうか。
キャラは前作に比べやや華がある印象。
全体的に色調もやや明るくなり、取っ付き易さは向上したと考えてよいと思う。
ただ、脇キャラ等の魅力は少し下降気味。
感情移入はし易いが、如何せん紛いなりにも戦争を舞台にした物語で女キャラばかりが活躍するのは如何なものだろうか。
作画はGONZO経営再建後という事もあり、心配していたが前作同様に3DCGを使用した迫力のある空戦シーン、疾走感のある小型飛行艇の描写は見事であった。
表情等は相変わらず弱い。
音楽は言うこと無し。
監督自ら務めた音響は臨場感に満ち溢れている。
また前作はDolce Triade名義であった音楽は黒石ひとみ単独になっているが、独特の優しいウィスパーボイスを生かしたサウンドは作品の雰囲気を充分に高めてくれた。
解散が決定したSchool Food Punishmentと江口亮が手掛け、坂本真綾が歌ったオープニングも小型飛行艇の疾走感を意識させる素晴らしい楽曲に仕上がっている。
耳で楽しむ分には2011年秋アニメでも上位であろう。
前作ファンからするとやや不満が残る作品かもしれないが、全体的に完成度の高い作品に仕上がっている。
GONZOの今後への期待も込めて是非、ご視聴をお奨めしたい。