Mamo さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
最初から最後まで只管に駆け抜けたサイバーパンク・オサレアニメ
長文注意。
最終話を見終えた今、とても心地良い余韻と損失感に浸っている。
作品に踊らされたとはまさにこの事か。ここまでの高揚感は随分と感じていない。
私は、作品に粗い箇所があるとすぐに冷めてしまうタイプなのだが、この作品もその粗さがあった、いや、あったんだと思う。不確定なのは確認ができていないからだ。
とにかくこの作品は、よく言われる例えだが、『目まぐるしいジェットコースターのよう』___これほどまでにこの言い方が似合う作品はないだろう。
作品の粗さが垣間見えたかと思ったら、気がつけば次の展開のちゃぶ台がひっくり返る。ジェットコースターに乗っていると周りの景色を凝視する暇もない。そんなくらいには粗さを感じさせてくれたなかった作品だった。これがまず一つ目。
二つ目は、アクダマである七人の回想を、例外を除いて一回も挟まなかったこと。
本来『悪』というのは、どういう理由があれ裁かれなければならない存在であって、そこにどんな辛い過去があろうと、そいつの事情はしったことではない。どんな作品でも悲しい過去を背負った悪だろうと、最後は必ず報いを受ける。
その事をよくわかっているからだろうか。敢えてこの作品は、主役であるアクダマ七人の過去を一切明かさずに、彼等彼女等に同情の余地を無くそうとしたこと。
三つ目。↑にも関わらずだ。彼等彼女等の退場を酷く悲しく感じた。
それは、アクダマ達の過去を明かさないと同時に、彼等の犯罪歴を具体的に示さなかった為に、本編では其々のアクダマの生き様を、思うがままに突き進む様を、生き生きと楽しくやりたいようにやる様を見てなんとなく愛嬌でも湧いたのだろうか。今でも理由はよく解らないが、とにかく、あれだけスピーディーだったにも関わらずキャラの描き方がうまかったとしか今は言えない。
そして最後。一般人、もとい詐欺師の存在。
彼女は唯一、かつてアクダマではなかった存在。500円玉を拾って、アクダマと行動を共にし、散々振り回された結果に自分を守るために人を殺し、正真正銘のアクダマに。初めの方は、というより、これは終始だが、彼女への御都合主義感はどうしても拭えない。「こいつの詐欺師要素どこにあるねん」と注意深く見ていたが、開き直った後の『詐欺師』は、まさに詐欺師だった。味方を騙し、処刑課を騙し、市民を騙した彼女の姿はまさにアクダマそのものだろう。
かくして彼等彼女等は世を去った。
自分より格上の奴と戦う為に、
唯一無二の天使をこの手で殺す為に、
"兄貴"の仇を取るた為に、
全ての人間の命を弄ぶ為に、
かつてない高揚を味わう為に、
"二人"の命を守る為に、
"仕事"を最期まで果たす為に、
命を投げ打ったアクダマたちの生き様。
しかと心に刻みました。