ハウトゥーバトル さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
Are you enjoying the time of EVE?
視聴前 確か新装版だったような
視聴後 おお
この話はアンドロイドが家具の一部という世界での話
ジャンルはロボット・差別
本作は6話のOVAを再編集し新シーンなどを追加した再編集版となっているのですが、私はOVAを見てません。映画で存在を初めて知りましたのですが、OVAを見てなくても十分に楽しめました。
本作の物語は結構薄いです。あらすじだけを言ったら{アンドロイドが自由に思考することが許されるカフェでアンドロイドによる思考の可能性に青年が気づいた}と一行で終わってしまいます。では60分何を写していたのか。それはテーマや方向性に関わってきます。
本作の評価はほとんど「テーマ」です。
{netabare}個人的な解釈ですが「未知への対応」を感じ取りました。
今私たちの倫理観として「どんなにロボットで無自我だとしても、物は大切にするし、人間に似てたら乱暴に扱っては行けない」というものが主となっています。日本人はその傾向が強く、全ての者に神がやっていると考える人が多いように感じます。なので本作のキャラの思考は理解はしてるけど、納得はしない、という人が多いのでは無いでしょうか。
AIの思考、というのは現実に考えて演算であることは恐らく誰でも分かっています。それでもアンドロイドが人間同様の存在に思えてしまう現代人にとって、本作のアンドロイドを道具として扱う人々はやはり共感しがたいものとなっています。
そんなロボットの思考の演算能力が思考に共通するものがある、という考え方は今まで誰も思いつかなかったのでしょう。そんな「未知」に対して主人公は全身するか後退するか、この葛藤が面白かったですね。
{/netabare}
本作では物語の終わりが見えません。予想というのは本来アニメという限られた時間に縛られない拡張的な存在です(拡張要素は個人差によって異なりますが)。本作は過程のみを描いたものであり、起源や終着点が不明確なまま本作は終わります。これにより物語を理解するには予想するしかありません。正解がなく、個人に寄って異なる物語が存在する、というなんとも美しい設計。制作者の丸投げといえば聞こえは悪いですが、そうとは言えない作り込み具合で好印象です。
原作・監督・脚本・撮影・編集・演出・絵コンテ・3DCG・音響監督は吉浦康裕さん。一人何役やっているんでしょう…
キャラデザ・総作監は茶山隆介さん。
劇伴は岡田徹さん。
アニメ制作はスタジオ・リッカさん。吉浦さんのスタジオらしいです。
作画は普通でした。主人公のキャラデザがちょっと微妙でした。
主題歌はBANANA ICEさん作詞、岡田徹さん作編曲、サミィ役の田中理恵さん歌唱の「やさしい時間の中で」
声優さんは上手いとはいえませんでした。まぁ一般人感はありましたけど。
総合評価 見るべき