snfjz62152 さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
いつか必ず訪れる別れ
今まで見てきたアニメの中でも一二を争う良作。
1クールという限られた時間の中、他の要素の一切を排除し、純粋にツカサとアイラの関係を描き切ったという点で、他の追随を許さない完成度の高さを誇る。
{netabare}
避けられない別れが近づく中、残された時間を大切にする二人の姿勢は健気で、だからこそ最終回の展開は見るものの心にガツンと響く。まさしく純文学のような細やかな心情描写が素晴らしく、見応えのある作品であった。
{/netabare}
作画や音楽も素晴らしいの一言に尽きる。{netabare}夏祭りの花火や最終話冒頭の日の出、最後に乗った観覧車{/netabare}などのシーンが特に素晴らしい。OP、ED共に作風とよくマッチしていて、いつまでも耳に残る良曲である。
強いて欠点を挙げるとすれば、
{netabare}
・6話の闇回収屋のくだり
・最終話Cパート
のあたりは詰めが甘い感じがした。
闇回収屋は結局6話以降登場せず、その目的も不明のまま終わってしまったのがやや残念。必ずしも望ましい別れ方ができるわけではない事を強調したかったのかもしれないが、やや強引な展開に見えてしまった。
最終話Cパートは蛇足だったような気がしてならない。アイラを看取った後、手紙を読むシーンまでが完璧な流れだっただけに、視聴者に疑問を残すかたちで終わってしまったのは少し残念なポイントである。
{/netabare}
悪い点ばかり書いてしまったが、本作のキャラクターの心情描写は今まで見たアニメの中で文句なしの一位で、キャラや作画、音楽も高いレベルで纏まっている。未視聴の方がいれば是非とも試聴をお勧めしたい。