セシウス さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ブレない男はカッコいい
Ⅰ期・OVA・Ⅱ期全24話見ての感想です。
原作は未読ですが、作者の押切先生の作品は好きで何作か単行本を持っています。元々怪奇漫画家である押切先生のラブコメ作品はどちらかというと異端で敬遠していましたが、ここやMALでの評価が高かったので視聴してみました。
ストーリーはゲームしか興味がない少年とゲームしか息抜きがなかった少女の王道ラブストーリーです。ただ際立った特徴が三つあって、まず第一に舞台装置として90年代前半のゲームセンターと家庭用ゲームがそのままの形で登場してくることです。当時触れたことのある人は間違いなくノスタルジックな気分になります。第二にメインヒロインが非常に無口、というか一言もしゃべらないことです。その感情を表情、仕草、そしてゲームプレイで表してきます。これが意外なくらい心に響いてきます。三つ目はその反動なのかライバルとなるサブヒロインの内面描写が異様に緻密に表現されていることです。見ている側は負けヒロインとわかっていながらどうしても感情移入させられてしまいます。
そして主人公のゲーム少年はイケメンではありませんがまさしく等身大のナイスガイで、美少女2人に想いを抱かれることに関して説得力を持たせています。主人公が周りの人たちや脳内ゲームキャラたちに背中を押されながら成長していく姿はとても感動的でした。
作画はゲーム画面をそのまま取り込んでいるためフルCGとなっています。漫画である原作の絵をかなり質の高いレベルで再現していますが、やはり若干CGっぽいところが気になりました。
音楽はOP曲・ED曲は一期二期とも名曲だと思います。劇伴もゲームのようにシーンごとに抑揚がきいていて雰囲気を盛り上げてきます。ゲーム音楽もそのまま流れたりします。
登場キャラは脇役・ゲームキャラまで含めてとても魅力的ですがそれを演じた声優さん達も素晴らしかったです。特にモノローグの多いサブヒロインの声優さんは凄かったです。
王道青春ラブストーリーが好きな人はもちろん、当時のゲーセン・ゲームにはまったことのある人は間違いなく楽しめる作品だと思います。
余談ですが、唯一違和感があったのはサブヒロインの髪色です。原作は基本モノクロなのであまり感じないと思いますが、海外の掲示板などで「blonde girl」と表現されているのが気になりました。凄く日本女子的なキャラだと思ったのですけどね…
【余談に追記w】
サブヒロインの髪色について、母親が日本人離れした風貌に描かれているので、混血なのでは?という書き込みを見ました。私の知っている中高時代の混血の子は皆すごく(特に男子の前では)おとなしかったので、納得です。