まつまつ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
観ていてずっと胸が痛かった
最初から報われない展開で最後の最後は一応ハッピーエンドなのだけど、何となく心に引っ掛かるモヤモヤした気持ちを持って視聴した作品だった。
障がいのある子どもが普通学級に入るという事は仮にいじめの対象にならなくても普通の子どもからすると奇異な目で見てしまう事は実際にありえる。
自分が小学生の時も養護学級があり、一部の授業は一般学級で一緒に過ごしていたが、いじめまでは行かなくてもちょっかいを掛けたり、からかったりという事はあった。
いじめの主犯格が一番悪いのは当然だが、特に学校という狭い世界では同調圧力というのが強く働き、合わせなければ自分がイジメの対象になる恐れがある為に間接的に加担している生徒が圧倒的多数なのが現実。
直接いじめに加担しなくても積極的に被害者に関わろうという生徒は殆どいないだろう。
佐原はそのせいで追い込まれてしまったわけだし。
川井や島田はその典型的な存在。
石田や植野が主犯格で自分はいじめに加担していないというタイプ。
いざ石田がいじめの主犯格として糾弾されたら自分は注意したという主張。
一見最低だが現実ではこのタイプが圧倒的多数だと思う。
そんな過去がありながらも西宮も石田も佐原も高校に進学してから、自分を追い込んだ生徒を受け容れられるのは心が広すぎる。
自分ならそんな奴らを正直許す事は無いだろう。
仮に社会人になって、全うで幸せな生活を送っていたとして、過去にしてきた過ちを何とも思わず、馴れ馴れしく声を掛けきようものなら、どの面下げて来てんだと思ってしまう。
石田は西宮が転校後、いじめの対象となり、自殺をしようとする程追い込まれた事で過ちに気付いたので情状酌量の余地はあるが。
そしてこの作品を観て「かぐや様は告らせたい?」の石上君神回はこの作品のオマージュたっだんだと気付かされた。
いじめはもう遥か昔から存在し続けている問題で、この先も一生なくなる事は無いんだろう。
そして子どもも大人も関係ない。
だから勧善懲悪な作品が支持される訳で、
それは世間の大多数の人間がそうしたいけど出来ないからせめてフィクションだけでもそうであって欲しいという皆思っているからなのだろう。
圧倒的大多数の人間はいじめ何て望んでいない。
でもほんの一握りの理性を保てない人間が存在する事でいじめや争いは無くならない。
重いテーマではあるが考えさせられる作品であった。