退会済のユーザー さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
🏅面白い「だけ」じゃダメですか?
「わかるかッ!人の命がかかっているんだぞッ!」
「だから…だから来たんですッ!」
一見キッズアニメのようでいてとにかく「面白い」。
安易な信長枠とはゆめゆめ思わぬように。
品質面では低評価にせざるを得ないクオリティだが、
戦闘描写は数ある名作群と比較しても引けを取らないカッコよさ。
「少年マンガのカタルシス」が堪能できる作品。
アニメのお約束よりも原作コミックの魅力に忠実と言えばいいのかちょっと表現が難しい。面白いマンガを読んだ後の読後感に似ているような。アニメ的な技術面で言えばネガティブな要素の方が多いと思う。変な言い方になってしまうがアニメのお約束に毒されてないと言えばいのか、「実は私は」でも感じたなんていうかこうアニメアニメしてないというかいやまあアニメなんですけどなんかこう奇をてらうわけではないけど我が道を行くっていうようなそんな感じ。
多分これも「深夜アニメ」の文法ではないかもですね。
キャラクターやギミックを楽しむ為の作品ではなくてそれらはあくまで作品ありきで存在する一部でしかないとでもいいますか、まあニワカなんでよくわからんです。ケチの付け所は無数にあるので叩きたい人はお好きにどうぞ。もちろん見た目で分かる通り不幸な美少女を眺める作品ではありませんので泣きたい人は見ない方が吉。ただ「抜群に面白い」だけ。ただそれだけの作品です。
タイトルからしてダサいしキャラデザもカッコ悪いしガジェットは見た目もネーミングもガキ臭いしOPは動かないわガチメタルだわで萌えないし主役声優は素人臭いし敵はただのキモいエイリアンだし味方は何故かイイ人ばかりだしで一見いかにも駄作感漂うキッズアニメ。
多分これは作者が「自分が子供の頃に観たかった(良質な)キッズ作品」を目指した作品なのかなと思うのです。主人公の武装のノズルの先端を見てそう感じました。でも現代の子供達にフックするとはとても思えないし、そこは全く視野に入れてないとしか思えない作風。よって「オッサン用キッズアニメ」という何ともニッチにも程がある作品が爆誕(笑)。
キャラクターの見た目は能力が一目でわかるデザイン。個対個のバトル作品ではなくエイリアンバスターの団体戦。各々特化型の単能ではあるが能力の使い方にも見せ場があり「この能力をこう使うのか」「コイツとコイツを組み合わせればこういうことが出来るのか」「この武装はそんなふうにも使えるのか」といった画面の魅せ方も楽しいです。小学生でも知ってるレベルの偉人達の名を冠したキャラクター達は伝聞に依る異能と共に行動原理もきちんと個々の中に受け継いでいます。
主人公はマニアックな兵器のスペックをソラで長々と暗唱できるレベルのガチのミリオタですが、この部分もただのキャラ付けでなく作戦立案時の貢献具合などストーリーにしっかり根を下ろした設定になってます。巻き込まれ系ですが(生来の異能持ちの時点でアレなんですけど)主人公の成長もしっかり表現されています。戦闘中異変に気付いたとしても部隊のパワーバランスの中で言い出せなかったことでピンチを招いてしまった彼女が最終決戦においては作戦立案から指揮を執るまでになるという実に王道な展開が気持ちいい。戦術面ではよくある適正のある相性のいい能力者が何故か都合よく現場にいるというご都合も感じさせず、戦略会議にて進路予想からの部隊配置などそこにいる必然性もきちんと説明して納得感を持たせてくれます。
「アツいキャラクタ―」を魅せる作品は数あれど、共同戦線による「アツい展開」に夢中になれる希少な作品。最終決戦「ストーンフォレスト作戦」の激アツ展開は通常兵器の見せ場もたまらないアニメ史に刻むべき面白さでしょう。
日本史屈指のキャラクター「織田信長」。彼の放つ歴史に刻まれた至言はそこらの名言格言など軽々と凌駕する幾多の時代を超えてきた圧倒的な強度。これを作品のキメ台詞に使えるなんて最高にズルい。作品視聴後、誰しもが一度は口にしてみたい衝動に駆られること間違いなし。
さあ、皆さんもご一緒に♪
「是非に及ばずッッ」
2020/12/11 初稿
2020/12/13 調整