「偽物語(TVアニメ動画)」

総合得点
90.2
感想・評価
6966
棚に入れた
31506
ランキング
60
★★★★★ 4.1 (6966)
物語
3.9
作画
4.2
声優
4.2
音楽
4.0
キャラ
4.3

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ネタバレ

101匹足利尊氏 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

偽物が本物にならんとするその力……プラチナぱないの!

阿良々木家の“ファイヤーシスターズ”火憐&月火。
妹二人が“正義ごっこ”で、中学生界隈の怪談、噂話に挑むうち、
怪異絡みのトラブルに巻き込まれ、
主人公の兄・暦らがまたぞろ首を突っ込んで行く。
<物語>シリーズのアニメ化・第二作。


【物語 4.5点】
火憐&月火の複数話完結エピソード二本立て。

子供から大人へ……など何者かにならんとする青春の劇的な変化の中から
怪物じみた要素を掘り起こして、奇譚として物語る本シリーズ。

本作では、嘘でも本気でやれば本当になる。
強い意志が多方向から交錯し、作品テーマを補強。


前半は“正義の味方ごっこ”VS詐欺師。偽物同士の争いを
視聴者も暦と共にまだ距離を取って眺めることもできたが、

後半では、{netabare}絶対的なリアル正義を相手に、
暦が偽りの家族を本物にすると啖呵を切る当事者となり、
偽物を想う気持ちへの共感がより深まって行く。{/netabare}

立場が変われば認識も変わる。作者の巧みな論法にハマれば、
いよいよ<物語>シリーズの深みから抜け出せなくなります。


【作画 4.5点】
前作『化物語』よりは字体も出張らなくなり、
アニメーション映像として一般化したという本作。

終盤のアクションシーンも、
{netabare}暦が再生能力があることを良いことに?
正義の鉄拳にボコられゾンビ同然にのされる。{/netabare}
など圧巻のやりすぎバイオレンス説教動画で魅せる。

それでも整列した郵便ポスト群や、神原の部屋に積み上がった{netabare}BL{/netabare}本など、
会話劇に追随する、クセの強い映像は相変わらず。
ガハラさんにとって鉛筆は武器でありアートなのですw


フェチズム探求もエスカレート。
{netabare}裸族、混浴、脱がせて看病くらいならまだ一般的なスケベの範疇ですが、
歯磨きによる享楽の追求はマニアック過ぎますw{/netabare}


【キャラ 4.5点】
詐欺師・貝木 泥舟(でいしゅう)。
あからさまに不吉で胡散臭くて、実際に突き抜けて詐欺師w
スタッフの間でもファンが多いという悪を、
何言っても折れそうにないオールバック(笑)に込めて提供。

さらにバイオレンス陰陽師・影縫 余弦(よづる)
及びそのボクっ娘式神・斧乃木 余接(よつぎ)の絶対正義コンビ。

濃い面子を相手に正義を志す火憐&月火姉妹。
例え火憐が逆立ちして語り尽くしても、
“正義の味方ごっこ”を本物にする道は険しい。


前作の長い沈黙を破って、忍ことキスショットも語り出し
ミスドを訪れるなど、徐々に本領を発揮し始める。

しかし、{netabare}あれだけ上から目線で正義を語っていた余接が、
回復途上のキスショットにあっさり成敗されたことを事後報告されるとかw
今後の一方的なパワーバランスに基づいた
ロリ・ライバル関係?の予感にワクワクしますw{/netabare}


前作からのヒロインズでは髪型変更が印象的。
例えば{netabare}バッサリとショートにして“ケジメ”を付けた、ひたぎさんとか羽川さんとか。{/netabare}
怪異絡みの事件が一段落しても、乙女心は、
僅か数ヶ月の間に目まぐるしく変容して具現化する
青春の嵐の只中にあるのです。


【声優 4.5点】
阿良々木 火憐役の喜多村 英梨さんの快活空手少女ボイス。
阿良々木 月火役の井口 裕香さんの“外見だけ”大人しい「プラチナむかつく!」ボイス。

こんな可愛らしい?妹二人に毎朝、暴……いやw叩き起こされる。
私が兄貴なら自主的な起床を拒否しますw


対する貝木役の三木 眞一郎さんの誇り高き偽物を正当化する減らず口。
影縫役の白石 涼子さんの誇り高き暴力を正当化する汚い京都弁w
灰汁の強いボイスがハマり迷い無き詐術と正義を体現。

忍役の坂本 真綾さんの“幼女”ボイスもぱないです!
ロリからレディまで魅力的に演じ分ける実力を改めて思い知らされます。


【音楽 4.0点】
前作では反復するメロディを宛がい会話劇を下支えした劇伴。
本作では劇的なサウンドで前面に出る場面も。
件の{netabare}歯磨きシーンのオーケストラ風や、
暦が忍を自転車に搭載し月に向かって爆走し決意を固めるシーン{/netabare}
など後半になるに連れ、映像に合わせ作曲する割合を増して熱を込めて来る。


OPは、ひたぎ→火憐→月火のキャラソンローテ♪

火憐OP「marshmallow justice」
バンド音楽だけでは、この迸る正義を貫けないとばかりに、
金管ブラスの圧力で押し通す。

月火OP「白金ディスコ」
この街の中学二年生の間ではブラックミュージックが流行している設定とのことで、
前作の撫子OPもヒップホップ調。
だからと言って、月火の和ディスコには度肝を抜かれますw


EDはClariS「ナイショの話」
妹二人が兄への想いを語り合うのに、クララとアリス、
当時中学生のダブルボーカルをコーラスにまで重ねたこの曲は打って付け。
このシングルを最後にClariSの二人は中学を卒業。


OPからEDまでまさにJCづくし♪
平たく言えば中学生は最高ということですw

投稿 : 2020/12/08
閲覧 : 485
サンキュー:

41

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