上位者のヒモ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「生きるとは何か?」
書きたいことは一つ!それは、ドール達がとても人間らしいと言うこと!
動くのは勿論のこと、悩んだり、戦ったり... そしてなぜ戦うのか。それはお父様に認めてもらうため。つまりお父様を独り占めしたい。
エレクトラコンプレックス(女児が父親に対して強い独占欲的な愛情を抱く心理)みたいですね。私、こういうこじれた心理状態が大好物です。ぐへへ。
物語の中盤になってアリスゲーム(他のドール達を倒してお父様に認めてもらう儀式)が盛んになると、ドール達は、お父様を独り占めしたい欲と姉妹達と一緒に生きたい欲の狭間で苦悩する。こうした苦悩する姿もまるで人間のようだ。
もう一つ強調したいのは、ドール達は姉妹達と戦っている。この戦うという行為が重要なのである。アニメ(1期)で説いていたのは、人は常に運命と闘う存在であるということだ。
これだけでも十分、ドール達は人に限りなく近いと分かると思うが、この世界の主要キャラクターがあまり人間的でないことも、一層ドールの人間性を引き立てていると思う。
自分の弱さに触れるのが怖くて、あらゆる人生における戦いから逃げる主人公(ジュン)、不治の持病が理由で、死を渇望するメイなど。後にジュンは真紅の「皆、ダメな部分を抱えながら生き抜く」というセリフに感化されて引きこもりから脱する。
人が人形に諭されてる...すごい話や...
以上のようなメッセージ性と、中世ヨーロッパの要素やゴスロリと言った世界観が上手くマッチしている。故にこの作品は、私の中で、内面描写とファンタジーの融合の傑作なのである。
ちなみに私の推しキャラは翠星石である。