上位者のヒモ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
自分ではどうしようもない大きな流れに翻弄されながら、自身の生き方を模索する若者の姿
個人的には、金田と鉄雄の関係性が好きです。
金田に認めて欲しく、対等な立場で接したいからか、鉄雄は彼にとても執着します。
鉄雄は超能力?を身に付けた後、金田にその力を自慢しますし、一時は彼を殺そうとします。しかし、鉄雄が肉塊に飲み込まれる時、真っ先に助けを求めた相手も金田でした。
つまり、能力は金田を凌駕しているが、精神的には依存しています。面白い関係性ですねぇ。
タイトル回収
{netabare}
作者曰く
「登場人物たちはみんな若者にしました。……ただ単に暴走して、つまんない世界にいる人間たちを主人公にして、東京の中のいろんな政治や、大きな秘密の中に触れながら、どうしようもない若者たちが少しは成長していくという話を作ったんです。 話はSFなんですけど、少しずつ自分たちで何かを見つけるんだよというメッセージは描きたいなと思っていました。それは、社会に参加して、または世界に参加して、自分たちで自分たちの道を発見する話なんです。…(中略)…いろんなことがあるんですけど、自分たちが見つけたもの、そして、自分たちがこれからなんかやってくんだよというメッセージは込めました。」
(『AKIRA』の世界観のもと、東京の進化と再生を描く NHKスペシャル シリーズ「東京リボーン」より)
つまり、自分ではどうしようもない大きな流れに翻弄されながら、自身の生き方を模索する若者の姿をあの映画は描いたと思います。
こうした視点を得られただけでもこの映画は、私にとって見る価値のある作品でした。感謝感謝...
思えば、こうしたことはよく起こりますよね。例えば、進撃の巨人のエレン。欲しいと思ったわけでもなく巨人化の力を手に入れ、その力を使いながら未来を切り開いて行く...
少し、逸れるかもしれませんが、リゼロのスバルも当てはまると思います。嫉妬の魔女から死に戻りの能力を授かり、その力を使って、エミリア(とレム、ラム姉妹)を大きな陰謀から救おうとする...
更に、現実にも起こっていますね。受験競争、就職活動など避けられない大きな流れがあって、そこで苦悩する若者...
どうも私はこうした若者が翻弄される中で、方向性を定める過程を見るのが好きみたいです。また私以外にも好きな人がいることが、この映画が売れた理由の一つだと思います。{/netabare}