匿名 さんの感想・評価
3.2
物語 : 1.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.0
状態:今観てる
ラノベを読んで育った世代がラノベを書く時代か・・・
10話まで視聴。とにかく各話バラバラ。とにかく作者が書きたい話、書きたいシーンが優先で、そこまでの「持って行き方」があまりに適当すぎます。
{netabare}たとえば、「両親が強盗に惨殺されて娘だけが生き残る。実はその娘が真犯人だった!」というのはフィクションでよくあるお話ですが、9歳の娘が大人二人を一方的に刺殺できるなど考えにくいため、普通は「両親の寝こみを襲った」など無理が無いようにシチュエーションで説得力を持たせます。しかし作品の場合は「路地裏で父親・母親・一緒にいた魔女の計3人を、9歳の娘がナイフ一本でめった刺し」にします。しかもよく見ると四肢の一部がスッパリ切り落とされています。少女がナイフ一本で? 確かに予想外ではありますが、予想外なら何をしてもいいわけではないでしょうに。ただ単に「刺されて倒れ伏した大人たちと、燃え盛る炎をバックにして不気味に笑う血まみれの狂った少女」を書きたかっただけとしか思えません。(それにしても犯人の凶器はナイフ一本なのに背景の炎は一体? 周囲の建物はレンガ造り、足元は石畳なんですが。誰が、どういう理由で、何にどうやって火を付けて、どうしてそんなに勢いよく燃え上がっているのでしょう?)
また、キャラも話も世界観も一貫性がなくチグハグ感が凄いです。3~4話で「困っている人や死にそうな人をスルーして旅を続けるクールな傍観者」かと思ったら、6話では王様と兵士たちをぶっとばしてまるでヒーローものみたいな「これにて一件落着」をやってしまいました。6話も8話も事件を解決するのは魔法統括協会の仕事で、本来イレイナの仕事ではないはずなのに、サヤはモブ兵士達の足止めだけ、シーラは最後に手錠をかけるだけ、イレイナがメインで活躍してまるでイレイナが主役です。傍観者はどうなったのでしょう。また、介入するのは魔法統括協会がバックに付いている場合だから大丈夫か?とも考えましたが、6話で協会に送られた手紙には、差出人も内容も書かれておらず、派遣された下っ端(サヤ)の判断だけで王宮に乗り込んだわけで、それを手伝って(とうか主犯で)王様を倒すのは果たしてどうなのでしょうね。教会も「誰がそこまでやれと言った!? ていうか協会に所属してない野良魔女のやらかしまで責任負えんわ」という感じではないでしょうか。
魔法の効果や強さもチグハグでよく分かりません。4話のミラロゼは国を一人で滅ぼすレベルでしたが、8話の人形使いは人形を操って襲って来ることもなくあっさり捕まりました。9話では前述の通り魔女でもない普通の人間の少女が鬼神のごとく強かったり。(前回使った檻で捕獲する魔法を使えば傷つけることなく捕獲できたのでは?) 10話では見習いランクの2人が盗賊団をあっさり壊滅させてしまいました。また、3~4話で何もせず飛び去ったので「この世界には魔女の組織は無いのだろう」と思っていたら6話で急に魔法統括協会なるものが登場したので「それなら通報くらいしても良かったのでは? 何とかできる魔女を呼んでやるくらいしてもよかったのでは?」と益々呆れました。
3話Aで兄妹をスルーしたのは「ひょっとしたら時間を巻き戻す魔法は数分しか巻き戻せないのかも知れない」と思っていましたが、8話でイレイナは何時間も前に切られた髪をあっさり元に戻しました。そして、この世界の魔法は代償を支払うことで実力以上のことができる、という設定らしいですが、4話のミラロゼは目的を果たした上に代償が返ってきたので実質的に代償になっていません。9話のエステルも「大事なものを代償にする」なら分かりますが「要らないものを代償にする」って設定的にそれでいいのでしょうか。
9話ラストでの嗚咽も何だったのでしょう。イレイナはこういうキャラだったでしょうか。3~4話で救いのない暗い話を見せられた直後に5話で「ここまで素敵な旅をしてきました!」みたいな会話を見せられたのも「何いい話にしようとしてるんだ? あんなのやこんなのが素敵だったのか?」と首を傾げるしかありませんでした。9話でエステルがキレたのは「親友だと思っていたのに、相手は自分を友達とも思っていなかった。それがショックでした。カッとなってやりました」という、まるで女子中学生が起こした重大事件の供述のようで唖然としました。この作品の登場人物は、魔女もそれ以外も誰も彼もおかしいです。作者が狙って「狂った人々」を書いているのなら大成功ですが。{/netabare}
綺麗で丁寧な仕事をする作画スタッフが勿体ない。6話や10話のような主人公側が大活躍して悪者やっつけてすごーいというお話なら多少のガバガバは容認できるので最初からそちらに極振りした方が良かったのでは。