えりりん908 さんの感想・評価

4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

12月の今だからこそ、書けることを。

劇場で鑑賞したのは、10月下旬でした。

今でこそ、興行成績300億円越えとか、ジブリアニメ以外ではアニメ鑑賞に劇場に足を運ばない方々が押し寄せたりとか、鑑賞した人が未鑑賞の人をなじる「キメハラ」が話題になるとか、
こんなコロナ禍の時期なのに、２ヶ月前には想像もつかなかった事態に、
すごく驚いてもいますが、
評判を聞いて、あるいは、ヒットしているから、という理由で劇場に行くような、
普段アニメを観ない方にも、十分に響く作画と内容だったから、
結果的によかったと思います。

これで、配給会社や広告代理店だけでなく、
制作の現場スタッフや声優さんにも、経済という恩恵がもたらされれば、
いいのになあって、本当に思います。


で、今だからこそ。
って言うと大げさなんですけど、
劇場で観たときは、私がハマったポイントが、
ネタバレになってしまうから、
「これはあにこれに感想をアップするのは、やめておこう」って思っていたんです。
それが、11月下旬からは、テレビCMで、そのハマりポイントをさらしてしまっているから、「もうＯＫですよね？」と考え直しまして(#^.^#)
（もう劇場鑑賞から２ヶ月経って記憶も薄れていますけど・・・）


皆さんのレビューを読ませていただいたときに割と見かける、
炭治郎が夢幻に陥らされたシーンで、
「禰󠄀豆子や弟・妹たちとの平和で幸福な夢のシーンで泣いてしまった」というの、
私はまったく真逆で、「騙されるな！目を覚ませ、炭治郎！！」って、
夢を断ち切ろうと、夢の中の自分を惨殺自死するたびに、
手に汗握って応援しまくりでした(≧△≦)

この頃のテレビＣＭのキャッチコピーも
「その刃で　悪夢を断ち切れ！」でしたから、私の観方が間違っていたとも思えません。
で、この悪夢から抜け出そうとして、夢とうつつの境い目を見失って、
炭治郎が現実の生身を自ら切ろうとしてしまったハラハラ展開！
ここで大活躍だったのが、亥之助で、
間一髪のところで、炭治郎の自害を力ずくで止めたところ、喝采でした！
亥之助グッジョブ！
ただのコメディ要員じゃなかったんだね(^▽^)
でもこれが、ラストの悲劇のフラグになっていたなんて・・・


そのあとに続く、魘夢の列車との融合はおどろおどろしくてダークファンタジーらしい描写が、アニメならではって感じで「グロくて気持ち悪くて」すごく面白かったけど、
ここで、亥之助と善逸が既にいるのに、
さらに追加でコメディ要員のように出ていた炎柱・煉獄さんがその実力を存分に発揮して、魘夢の策を挫いて、鬼滅隊の大勝利(^o^)

ああ、スッキリした。ちょっと「鬼滅の刃」にしてはノリが軽かったけど、
いいラストだった、と私は思ってしまったのですが、間髪入れずに、
上弦の鬼が出現！

ここからの上弦ノ参と煉獄さんの激闘は、圧巻でした。
しかも、今テレビコマーシャルで公開されているように、
鬼は、執拗に、再三再四、煉獄さんを、「死ぬのは勿体ない。お前も鬼になれ。鬼になって、死なない身体を手に入れて、その剣技をもっと極めていけ」と、まさに悪魔のような囁き！！
ここからの、煉獄さんの「人は老いるから、死ぬからこそ美しい！」というブレない精神！！！

序盤の登場シーンで、弁当を山積みにして「美味い！」「美味い！」と食べまくるあのコミカルな煉獄さんが！って万感の思いです。。。

そして、 {netabare}業を煮やした上弦ノ参の鬼の左の正拳に、腹を貫かれて、
「ああっ！」と思っていたら、現実の人間には出来ないことだけど、
煉獄さんは鬼の左腕を、貫かれた腹の、腹筋で止めて抜かせない！
そして、炎の呼吸とともに日本刀をふるって鬼の首に斬撃！
鬼はその胆力で刃を食い止めて、右の裏拳を煉獄さんの顔面に放つが、
これを煉獄さんは、日本刀の柄から咄嗟に離した左の掌でがっしり受け止め、鬼の拳を握って離さない！
上弦ノ参の鬼相手であっても、煉獄さんの体術と精神力は少しも劣らず、
鬼の両腕を抑え込み、しかも片手で打ち込みつづける剣が、鬼の首にはジリジリと食い込んで、
その上、あと少しで朝を迎えて陽が昇って来る！太陽さえ昇れば、勝利！
煉獄さん、ついに持久戦に持ち込んで上弦ノ鬼を退治だ！！
って思った瞬間に、割り込んできた亥之助が、
あろうことか、
鬼の両腕を切ってしまったよ～(>△<)
煉獄さんの詰将棋のような見事な相打ち作戦を、
台無しにしてしまった～(T_T)
炭治郎を救出したときには大活躍だった亥之助さん、
この場面では、やっちゃいけない野生の勘で・・・

亥之助の斬撃のおかげで、煉獄さんの計算ずくで詰めの攻撃からラッキーにも逃れた鬼はさっさと逃亡。

でも、ここからの、煉獄さんの対応が、また素晴らしい。
既に致命傷を負っていて死を待つばかりのときに、
勝てていた筈の闘いを台無しにした亥之助に恨み言ひとつ言うこともなく、
自分以外に一人の犠牲者も出さずに、
人命を守り切れた、と、新入り鬼滅隊を称え、
かつては鬼として斬首しようと主張した禰󠄀豆子まで、その心根を評価して鬼殺隊として認め、
こと切れて行くのです。{/netabare}


煉獄さんこそがすべての作品だったのを、公開当初は隠しておいて、
タイトルだって「無限列車編」。
ミスリードを狙っていた制作陣の目論見に、見事にハマって、
最後だけはグシャグシャにされてしまいました。