「ワールドトリガー(TVアニメ動画)」

総合得点
67.1
感想・評価
559
棚に入れた
2944
ランキング
2625
★★★★☆ 3.6 (559)
物語
3.7
作画
3.3
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.7

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Fanatic さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.5 作画 : 2.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

戦略&戦術を駆使したチーム戦がアツい!一風変わったバトル物☆

制作は東映アニメーション。
原作は、2013年から週間少年ジャンプで連載されていた漫画ですが、2019年からはジャンプスクエアに移って現在も連載中です。

監督は、1~48話が、「クレヨンしんちゃん」初代監督や、「本好きの下克上」などを手がけた本郷みつるさん。49~73話が、「ゲゲゲの鬼太郎6」「プリキュアオールスターズ」等の小川孝治さん。

因みに新(2nd)シーズンは、「ドラゴンボール」や「ワンピース」に携わっていた畑野森生さんが監督予定とのこと。この作品は原作力が肝だと思いますので、誰がディレクションするのであれ、続編が決定したことは素直に嬉しいです。

内容は、いわゆるバトル系に分類される作品ですが、バトルの内容が、他のジャンプ系王道作品で多く見られる〝個々の対戦〟とは、かなり毛色が違います。

登場する武器(トリガー)の種類は多いのですが、ユニークウェポンというのは、一部のトリガーを除いてほとんど出てきません。
個々のボーダー隊員が、自分の能力に合わせてトリガーを選び、その特性を生かしつつ、チームで連携しながら戦っていく――いわゆる戦略・戦術戦がメインとなります。

それぞれのトリガーには、攻撃力や耐久力、可変タイプ、あるいは、飛び道具なら射程や威力、連射性能や弾速、さらに、機動専用のグラスホッパーやトラップ専用のスコーピオンなど特性が細かく設定されています。

さらに、トリオン能力の高い隊員特有の「サイドエフェクト」と呼ばれる特殊能力、それらの使用タイミング、さらに地形利用や心理操作をも組み合わせて勝敗を決していきます。

序盤、6話まではキャラクター紹介も兼ねた邂逅編。
退屈ですが、ここで切らずに我慢してください。
7話からはブラックトリガー争奪戦、及びボーダー入隊編が始まり、ボーダー隊員同士の、駆け引きの楽しめるバトルが徐々に増えていきます。

22話からは、地球人の主敵であるネイバーの大規模侵攻がはじまり、それを迎え撃つボーダー隊員たちの活躍が描かれます。
敵には、一般的なトリオン兵以外に、ブラックトリガーを持つ強敵が何人か混ざっていて、彼(彼女)らとの局地的な対戦、及び、彼らの目的を阻止する為の中域戦略戦が熱を帯びて、一気に話が盛り上がっていきます。

何で、ゲート多発地帯にいつまでも住民が住んでいるんだろう……という疑問もありますが、そこはまあ、住民の「慣れ」らしいので、そういうことにしておきます。

そして、38話からは、個人的に一番好きな、B級ランク戦に突入。
戦闘員とオペレーターで編成された複数のチームが、バトルロイヤル形式でA級昇格を目指します。
各チームが、互いに相手の行動を読み合い、連携を駆使して戦術戦を繰り広げる様子は本作の醍醐味でしょう。

49話からは逃亡者編。
原作漫画休載などの影響もあったのか、ストックが尽きかけて水増しのために挿入したアニオリパートのようです。
合宿中に起こった事件、という感じでメインプロットからはほぼ独立しているパートなんですが、つまらないので観る必要ないですw
どうしても気になる方は、64話の冒頭に数分のダイジェスト回想があるので、それで十分でしょう。
その64話から、再びB級ランク戦が再開され、73話で一期終了。

実際に戦うのは生身ではなくトリオン体と呼ばれる擬似生体なので、過激なゴア表現が苦手という方にも安心の健全バトルです。

正直、バトルに関しては、例えば同じジャンプ系で話題になってる「鬼滅の刃」のように、派手な演出と強力な個性で勝負を決する王道ものよりも、駆け引き重視の方なら本作の方が説得性があってずっと惹きこまれる内容だと思います。
主人公や仲間の成長も、覚醒や、特訓による急激なフィジカル強化みたいなご都合主義的要素は極力排除されていて、トリガーの使い方や使用種類、その組み合わせ、戦術面での閃きや創意工夫などで強くなっていく流れも説得力があります。

では、この作品がなぜそこまで話題にならなかったのか……。
(私が気づかなかっただけ?)
序盤、若干スロースタート気味の部分もありますし、主人公の三雲修が地味すぎるというのもあるかもしれません。
でもやはり、決定的なのは作画のジョボさでしょう。

最近の集英社系作品は、クオリティの高いアニメを作ってコンテンツの拡大を図る戦略になっているように見えますが、この頃はその発想はなかったんでしょうか?
2014年当時の平均的な作画レベルを考えても、なぜ天下の集英社がこんなに粗い作画で作った?と首を傾げたくなるクオリティ。
本作がもし、鬼滅の刃や呪術廻戦なみに……とまでは言わなくても、青エクくらいのクオリティで作られていたなら、大人の視聴にも耐え得るバトル物として話題作になっていた気がします。

とりあえず新シーズンも始まるようですし、未視聴の方は今のうちに試してみてはいかがでしょう。
6クールと長丁場ですが、49~63話は観る価値がないので、実質5クール弱。
作画に足を引っ張られて評価点は伸びていませんが、おすすめです!

投稿 : 2020/12/02
閲覧 : 329
サンキュー:

9

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