みゃあ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:今観てる
物語設定の妙
11話まで視聴済みです。
シャーロッキアンなら知らないはずもないモリアーティ教授、まさに彼がこの作品の主人公です。
え、ホームズと敵対してたような悪の犯罪者を主人公に?
犯罪者が主人公になる物語やアニメは別に初めてでもないですが、モリアーティ教授はホームズの本を読む限りでは良いイメージはないですよね。
ホームズを視覚化する時のラスボスはモリアーティ、最近ではロバート・ダウニー・Jr主演の映画でもそうでした。
犯罪にもやむを得ず犯してしまうというものもありますが、このアニメのモリアーティの場合は違う。己の信ずる「正義」の為に犯罪に手を染めることを躊躇しない正に確信犯として描かれます。
そんなモリアーティに肩入れできるような設定をしたことがこのアニメの肝であります。モリアーティに犯罪を犯すことに対して大義名分を持たせた。悪がただの悪ではなく一分の理を持ったことで面白さが俄然増したのです。
第1話は世界観の導入部分であり面白さや惹かれるものはありません。モリアーティというワードの強い吸引力がなければ、私も観るのを止めていたかもしれません。
が、2話で当時の英国の階級社会とそれに対峙する者としてのモリアーティという構図が仄めかされたことで一気に引き込まれてきます。(これを感じ取れるかどうかは視聴者のセンス次第)
そこからはベースとなる登場人物設定と絆、彼らのやり方が描かれていき、
そこにホームズ、ワトソン、レストレード、ハドソン夫人ら聖典でおなじみの面々も加わってワクワクしてきます。
いくらモリアーティに大義名分を持たせようと、あくまでも犯罪者として描くことで作品として良識の一線は超えていません。
ただし、後の歴史に生きる我々は現代の良識を持って触れることでモリアーティが行うことの評価に幅を持って見ることができます。
11話ではついに{netabare}ヴィクトリア女王とホームズの兄マイクロフトが登場。マイクロフトは色々と国の重要機密に携わったりしてる大物です。大いに栄えたヴィクトリア朝の国王とマイクロフト、貴族の上に立つ女王の存在は、このアニメのモリアーティの目にはどう映っているのでしょうか。マイクロフトは女王の命を受けホームズに何がしかをやらせようとするのではないでしょうか。気になります。{/netabare}
OPの畠中祐さんの歌はかなり好き、雰囲気もあって良いと思います。