STONE さんの感想・評価

2.5
物語 : 1.0 作画 : 2.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 2.5 状態：観終わった

締めのためにキャラを片付けたみたいな

　前期からキャラが結構入れ替わった。
　まずメインヒロインとも言うべきサラ・シンクレアが見事なまでに消えてしまったのは驚いた。
　彼女が事件を追うべき理由であるモニカ・キャンベルの死の真相は明らかになったが、マスク
そのものに関してはまだ解決しておらず、ここでいきなり手を引いてしまうのはなんか不自然。
　メタ的にはヒロイン役がティナ・ハーストに移り、前期では行動を共にすることの多かった主役の
ジェームズ・ブラッドとは恋愛関係に発展することもなく、元々SSCの同僚でもなかったゆえに
扱いに困ってしまったみたい。

　ハリー・クレイトンの扱いもひどかった。
　主人公と親しかった者が私的理由により、敵対関係になるという展開自体は王道なもので、
本作ではついに決着を付けるのがクライマックスの一つになると思っていたら、自分が
救いたかった恋人が死んでフェイドアウトって、、、これはない。
　目的達成(恋人を救う)に関しては達成するもそれは望んだ形のものでなかった、または主人公に
よって目的を阻まれるなどが考えられるし、その後も因果応報的な報いを受ける、贖罪的な行動で
主人公を助ける側に回るなど、もっと上手いやり方はあっただろうに。

　逆に本作より登場したダグラス・コーツなどは敵に通じる者でありながら、SSCにトップに
なるという主人公達を窮地に陥らせるには最適の位置にいながら、終盤になると自ら動いてボロを
出すという勿体無い使い方。
　途中で独断行動を取るジェームズを指名手配する展開などはヒッチコック作品的サスペンス
王道路線に進むのかと思いきや、これも中途半端なもので終わってしまった。
　なんかキャラに関しては話を締めるために無理矢理片付けた感が拭えない。

　マスク自体は一応締めらしい締めはあったけど、スケールの大きな陰謀だったのに凄く
こじんまりとした終わりで、クライマックスとしては弱い。
　そして、津田 健次郎氏が演じた黒幕っぽかった人がなんだったのか？

　モノローグなどはさせず、表情や仕草でキャラの心中を描くことが多かったが、その演出が
あまりうまくいっていないのか、キャラの考えが読み取りにくい。そのためにキャラの行動に
唐突感がある。
　前期にも感じられた間延びした感は本作も。その癖、終盤は駆け足で進んでいった感じで、
全体的に構成の悪さを感じる。
　なんかひどいことばかり書いたが、アメドラ感溢れるテイストは他作品では見られないもので、
その辺は結構好きなんだよなあ。

2021/01/31