芝生まじりの丘 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
悪趣味なエンタメ作品
だいぶ前作以上に胸糞の悪いアニメだった。所謂色相というやつが濁っているときに見るアニメじゃない。
1期との大きな違いは悪役や味方に魅力を持たせるつもりがあるかどうかであると思う。
前作では公安の人間も主義の違いはあれおおむね優秀で知的な好人物に描かれ、犯罪者やシヴィラ側についても多くの人間はミステリアスさやカリスマ性、美学のようなものを持った人間として描かれていた。サイガやコウガミ、マキシマを中心として出てくる人物の多くはある種フィクションらしい天才だ。
それに比べて本作はそういうつもりが全くない。露悪的で、むしろ人間の愚かしさをあげつらうかのようだ。首謀者のカムイはかろうじて一応カリスマとして描くつもりがあったようだが他の新キャラクターは全員グロテスクな道化か人形である。
その道化のひとつの例が霜月美佳である。(そういえばWikiを見て知ったのだがこの人1期の王陵編で出ていた子と同一人物らしい。本編を見ていて全く気づかなかった。)本作での彼女は明らかにチームを乱し足を引っ張る愚かな悪党として描かれている。最初は定番の未熟で愚かな新米が事件の過程で成長していくというストーリーだと思ったのだが最後まで清々しいほどの子物で、不思議なことに周囲はツネモリ、クニヅカ含め全く彼女の奇行に怒りも諭しもせず頓着しないのだ。本当の透明人間は彼女なのではなかろうか?無能な狂人として誰にも相手にされない彼女は本当に不憫である。
いずれにせよ露悪的な登場人物の配し方は明らかに意図的なものだ。グロテスクな趣味は別にキャラクタ設定にとどまらない。例えばもっとも胸糞悪いシーンは薬局襲撃のシーンだ。
その方向性の良し悪しはどうとも言えないがとりあえず食事中に見るのはおすすめしない。この世にシヴィラの統治が本当にあるのならこういう作品は色相を汚すから真っ先に規制対象だろうが幸運なことにそうはなっていない。
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追記
これだけ書くとけちょんけちょんに貶しているみたいだが別に気色悪いのは方向性の問題で別にそれ自体悪いことではない。評価としては前作の続きの話、以上でも以下でもなく順当に減衰してる感じ。