Fanatic さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
観始めたら止まらない!一級のサスペンスミステリー!ですが……
原作は、ヤングエースで連載されていた三部けいさんの連載漫画。
但し、アニメ化の時点では原作が完結しておらず、三部さんから凡そのプロットだけを聞いて制作されたため、最終話は原作とは若干違う流れになっているそうです。
制作はA-1 Pictures、監督は「SAO」の伊藤智彦さん。
シリーズ構成は「ハイキュー」「憂国のモリアーティ」等の岸本卓さん。
キャラデザは「青エク」「ズヴィズダー」等の佐々木啓悟さん。
因みに、CloverWorksで制作された「富豪刑事Balance:UNLIMITED」も、まったく同じ布陣です。
内容は、タイムリープ能力(本人はリバイバルと呼んでいる)を持つ主人公・藤沼悟が、過去に行って自分や周囲の人々を襲う悲劇を回避するというもの。
シュタゲと比べられることも多いですが、あちらほどSFやループ要素は強くなく、個人的には普通にサスペンスミステリーのつもりで観て違和感はありませんでした。
最初から最後まで、バランスよく張り巡らされる過不足のない伏線と、それらを適時回収してゆく中弛みのない展開は見事で、初話の掴みも完璧。
観始めると止まらなくなるようなテンポ作りと脚本には唸りました。
タイムリープ能力を利用すると聞いて、サスペンスものとしてはガバガバな内容にならないか不安でしたが、タイムリープ自体は突発的に起こる現象で任意に利用できるような設定ではないので、とくに問題ありませんでした。
ただ、タイムリープできた原因や規則性のようなものは最後まで示されないので、ちょっとご都合主義的な感じも。
「そういう謎現象だった」と、まるっと受け入れられない人には向かないかもしれません。
作画は良好で、ラストまで崩れもなく安定しています。
藤沼悟の小学生時代を演じた土屋太鳳さんは、本職でないわりにはそこそこ上手に演じられていたと思います。
ただ、成年を演じた満島真之介さんは、かなり棒気味……。
脇を固めるのが本職声優さんだったため、さらに演技の差が歴然で、違和感がなくなるまで多少の時間はかかりました。
この作品に限ったことではないのですが、普段のセリフはともかく、叫びや嗚咽など、感情の溢れるようなシーンでは、本職さんとの演技力の差が如実に出る気がします。
基本的には、万人におすすめできる完成度の高い作品だったと思います。
それを踏まえた上で、この後は、個人的な好みの問題による不満点となります。
ラストシーンや真犯人に関するネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意下さい。
ネタバレレビューを読む
……と、シナリオ面でいくつか好みに合わなかった点は挙げましたが、前置きしたように、全体的には非常にクオリティが高く、引き込む力は一級品のエンターテイメント作品だったと思います。
途中で止められなくなるような上質のサスペンスミステリーを一気見したい!なんていう気分の時にはもってこいの作品だと思います。