fluid さんの感想・評価
2.6
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
ラブコメっぽいけど、ラブコメではない
ギター初心者の主人公が中心となって学園祭をめざしてバンドの練習をするお話。三角関係のラブコメアニメ。
ほぼ3人が中心のアニメです。数十人が複雑に絡み合っていたWHITE ALBUM1と比べるとかなりシンプルな感じですね。
■感情の描写がうすい
WHITE ALBUM1は数え切れないほどの表情が描かれ、数秒ごとに感情が切り替わる様子が見てて飽きませんでしたし、今作にも期待してたのですが、WHITE ALBUM2は感情の描写がほとんどなくてガッカリしました。
まず、感情の種類が少なすぎるというか、一つしか無いです。
・ヒロインAは主人公がヒロインBに気があるそぶりを見ると暗い顔をする。
・ヒロインBは一切感情を表に出さずヒロインAにゆずり続ける。
1話から最終話までこれしかないです。
■最終回
結局、主人公は最初から彼女のことが好きだったのか?意味不明な展開でしたね。ただのクズ男という感じ。途中までは良かったのにあの終わり方はひどいです。納得できる理由付けや描写も一切ないですし。
例えば、{netabare}自分でも本当の気持ちに気づかずにヒロインAと付き合い始めたが、ヒロインBが離れていく様子を見て気づかされ、でもAを悲しませたくないから我慢するが、そんな付き合い方はAに対しても失礼だし、何より自分にこれ以上嘘をつき続けるのは限界がきている。そして、苦悩を繰り返すシーンを描いてからヒロインBに好きだと伝える決心をする。みたいな流れを用意するのが普通ですよね。なのに、このアニメには理由付けが一つも無いまま、ヒロインAを捨ててヒロインBに行く。ただのクズ男にしか見えません。意味が分からない終わり方でした。{/netabare}
そのあたりは視聴者が勝手に想像してくれということなのでしょうか?振り返ってみると、終わり方だけでなく1話からずっとそんな感じですね。感情を描こうとせず、理由付けも無く、作者はただただ感情とは無関係にストーリーを構築してる感じ。
■WHITE ALBUM1と2を比較
WHITE ALBUM1は、無数の感情を描写するために、どんなストーリー展開を用意すればそれが表現可能なのかという視点で練り上げられてる感じでしたし、音を消して絵や動きだけを見ても感情がどう変化しているのかが伝わってきました。
WHITE ALBUM2は、面白そうなストーリー展開を先に考えてから、その状況に合わせてキャラに無難な表情を当てはめてるだけという感じで、音を消したら毎回ワンパターンな表情しか見せてないことに気づく。絵で表現しようとせず言葉ですべて説明しちゃってる感じですね。おそらくアニメを見ずに設定書だけ読んで終わらせてもそれほど違いはないでしょう。あと、この作者は自分のセリフに酔ってる感じがする。そんなん要らないから、もっと工夫して言葉ではなく状況や絵で表現して視聴者に推測させる楽しみを与えろ、WHITE ALBUM1のように、という感じでした。
1と2はタイトルは同じでも作り方が真逆のアニメですね。
例えるなら今作は歴史の授業で教わる昔の人たちのストーリーと同じ。そこにどんな感情の変化があったのかは教えられないから、共感しづらい。自分で想像するしかない。
なのに、出来事ひとつひとつに感情の変化を当てはめてアニメ化するとなぜかおもしろくなる。そもそも、ストーリーなんてどんなに頑張ってもどこかで見たことのあるものが出来上がりますよね。キャラや感情を変化させるやり方ならありきたりな話でもおもしろくなりますし、いくつか感情の種類を用意すれば忘れたころに使い回してローテーションさせても飽きられない。
途中までは普通におもしろいストーリーだったんですけどね、あまりに終わり方がひどいというか、感情の描写がなさすぎでした。