芝生まじりの丘 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
スピード感あるエンタメ作品
所謂未来的な理想管理社会の誤謬と人々の葛藤を描き出すタイプのアニメ。
こういうテーマで薄っぺらにやられると耐えられなさそうだと思ったけど見てみたらエンタメとしてわりと面白かった。
虚淵さんのファンでは正直全くないのだけどやっぱりこの人はすごい力のある脚本家だなぁと感心してしまう。視聴者を退屈させない人の心を引きつけるような作品をつくる。理想管理社会の話というのは力のあるテーマだが誰もが触れたことがあり、考えたことがあるため簡単に短絡的でつまらないものになってしまう。単純に管理社会の弱点を無防備に陳列して言い立てず基本的に暗に描写で示すにとどめ、主人公を体制派に留めている点がよかったのかもしれない。それに視聴者にカタルシスを与えながら次へ次へと運んでいくエンタメの組み立てが本当にうまい。{netabare}ユキの殺害、社会体制の瓦解からシヴィラの正体の提示マキシマの逮捕と逃走{/netabare}という部分の息もつかせぬ畳み掛けが中でも白眉だと思う。{netabare}無垢な新米だった主人公が成長し、苦境に立たされてクールで理知的なキャラクタへ変貌する{/netabare}というのも定番だが盛り上がる要素だ。
自分は攻殻機動隊とかこの手のアクション刑事ドラマみたいな作品が基本的に苦手でこの作品も多分にもれず好きな作品かというと別にそうではないがなんだか作品に見させられてしまった。