Fanatic さんの感想・評価

4.2
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

夏希のツッコミとポンコツ部員たちが癖になる！中盤以降は大化けΣ(・oﾉ)ﾉ

アニメ完走後、速攻Amazonで原作全巻注文した作品。

制作は「ローゼンメイデン」や「邪心ちゃんドロップキック」のノーマッド。
監督も、邪心ちゃんを手がけた佐藤光さんです。
キャラデザの佐々木貴宏さんは、今クールの「体操ザムライ」でサブキャラのデザインなどを担当されているようです。

とは言っても、この作品、そうとうエキセントリックな内容なので、スタッフや布陣を紹介してもあまり参考にはならないでしょう。

内容は、学園を舞台にした日常系ギャグアニメ。
主人公の夏希は高校に入学しても帰宅部の予定でしたが、それを友達に話すと、同じく帰宅部希望の花梨から一緒に見学に行こうと誘われます。
そう、この高校には〝帰宅部〟という部活動がちゃんと存在していたのです。

渋々帰宅部を見学しにいく夏希でしたが、活動内容があまりにもくだらないことから、「もう帰っていいですか」と立ち去ろうとすると、「すごい帰宅精神（スピリット）の持ち主」などと褒められ、流されるまま入部することに。

導入部はそんな感じですが、とりあえず一話の段階ではかなりのクソアニメっぷり（いい意味で？）
作画は粗いし、声優は夏希役の木戸衣吹さん以外は素人同然の声優さんの卵。
（これでデビューしたクレア役の千本木彩花さんは、このあとかなり活躍されてます）
なので、ＣＶ重視という方には絶対に向かない作品だと思います。
ギャグのテンポも、最初はいまいちリズムが悪くて、正直、多くの方が視聴を苦痛に感じるレベルではないでしょうか（個人的にはナシよりのアリでしたが）

実際、感想欄を眺めてみると、放送当時の低評価はほとんど一話切りか棒演技へのクレーム。
客観的に見て、その判断も決して間違ってはいないと思いますが、完走組は結構高評価が多い気もします。
もっとも、本作が好きな私でさえ、よくブルーレイを出したな、と驚きを禁じ得ませんが。

でも、この作品、一つ一つのネタのセンスはものすごくいいんです。
派手な演出や顔芸などで笑わせるのではなく、ネタの内容や掛け合いの妙で笑わせるタイプの作品で、パロディやメタ系のネタも多く、声優陣が演技に慣れてきた（あるいは、視聴者が声優のポンコツぶりに慣れてきた）中盤以降は大化けします（物語の評価5は、こういう作品なので、ストーリーではなくギャグネタの好みに対して付けています）

慣れるまで我慢我慢……と思っていた声優陣も、徐々に中毒になり、そのうち、この人たちじゃないと物足りないというか、愛おしささえ感じられるようになってきます。

正直、声に関しては夏希役の木戸さんの好演が大きいのは事実です。
声も性格も、いろんな意味でポンコツな（いい意味でｗ）部員たちに、鋭くツッコミを入れまくる夏希の存在がこの作品の屋台骨。
その夏希にだけは、しっかりとした演技のできる木戸さんを配したところはキャスティングのファインプレーだと思います。

でも、声優評価の4は、木戸さんも、周りのポンコツも含めて、作品との親和性で評価しました。
さすがに満点までは付けられませんでしたが(ˊᗜˋ;)

ベテラン声優さんだったら「いい作品をありがとう♪」という気持ちになったんでしょうが、本作の場合は「私も応援するから、がんばって！」という一体感のような気持ちが芽生えてくるんですよね。
最終回でも、変にシリアスになることもなくギャグテイストを貫きますが、すっかり帰宅部の一員気分で観ていた私は、なんとなくしんみりとした気持ちになったことを覚えています。

あにこれさんの評価は冴えませんが、個人的な視聴歴の中では、ギャグ＆コメディ部門で五本の指に入る快作です。
ほぼ原作準拠なので、ネタ的には、原作者であるくろはさんのセンスが個人的な好みとぴったりフィットしたのかな。
漫画は全五巻でほぼほぼストックは使い切ってますので、二期とかはないと思います。

好きな作品なので評価はかなり甘めですが、騙されたと思って、我慢して中盤まで観てみてください！
（騙されたらゴメンナサイ(・∀・)）

PS：
ちなみに、OPや、帰宅部員たちのキャラソンEDも意外としっかり作ってます。
EDは全部で四種類あるのですが（←無駄に凝ってるｗ）、4話～7話のEDに使われていた「花火」は、かなり良曲。7話のしりとり回は神回ですので、どこから観ても差し支えない作品ですし、お試しにそこだけでもどうぞ♪