ファースト さんの感想・評価
4.4
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
アニメの結末としては正しいが個人的には微妙な部分もあった
作中通してヴァイオレットのギルベルトへの思いがいかほどかということはアニメを観た方であれば、だれしもが理解でき、この映画でもその部分は納得できた。が、しかしギルベルト側の視点で考えると果たしてギルベルトにとってヴァイオレットは恋愛対象となりえたのかというのにいささかの疑問があった。アニメ本編ではほとんどがヴァイオレットの視点から描かれていたこともあり、さほど気にしなかったかたもいただろうが、映画ではギルベルトの視点も多々見られたように思う。しかしそのどの面をとってみても、やはりギルベルトからはヴァイオレットを戦争の道具として扱った罪悪感というものしか見えてこない。また、このギルベルトの視点というのもなんだか尺稼ぎ、というか作品のテンポを悪くしているように思う。最終的にギルベルトとヴァイオレットの関係性がどうなるのか、自動手記人形サービスを通して変化したヴァイオレットの姿をどう描くかいう作品の目的性は達成していることから、鑑賞し終えてそこそこの満足感は得たが、劇場を出て思ったことは「尺が少し長かったかな?」だった。作品の放映時間があと20分短ければ「尺稼ぎ」と感じる場面なく観れたのかもしれない。この映画の中で面白いと感じたのは電話の普及によって手紙が衰退していく様子がストーリーに絡めて描かれていったことだと思う。