スプリット さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ロリアニメと見せかけた熱い物語
何より作品は色んな人に見てもらわなければいけません。テーマは将棋。娯楽も世の中にはたくさん溢れており今では馴染みがないテーマでしたが、放送時期のタイミングが非常に良かったです。世間は藤井聡太さんの活躍で将棋ブーム。これ以上ない追い風を引き寄せたのもある種の実力です。
主人公の九頭竜八一は第一話で将棋界序列一位の竜王というタイトルを保持しています。年齢で言えば高校一年生ですが、高校には通っていません。中学生でプロ棋士(現実でも加藤一二三、谷川浩司、羽生善治、渡辺明、藤井聡太の五人のみ)になっており、高校一年生の年齢で竜王を手にしているということです。とんでもない才能の持ち主の主人公がスランプに陥っているときに、内弟子(家に住み込みで弟子になり将棋を学ぶ)に来るのが雛鶴あいという小学生の女の子。この子との出会いで少しずつ状況が良い方向に傾いていくストーリーです。
{netabare}
この作品は単なるロリアニメではありません。むしろロリはおまけに将棋界の面白さ、辛さ、夢への壁。ここを中心的に描いていけばより良いアニメになれたのではないかなと思います。そう感じたのは名人との竜王戦です。ここをおろそかにしてしまったのがとても勿体無い。物語は積み重ねが一番大切です。原作はどうなのか知りませんが、おそらくかなりカットされているんだろうと見てて思いました。この竜王防衛戦はテーマとしては間違いなく面白いのですが、ロリに焦点を当ててしまっていたためイマイチ盛り上がりに欠けました。いわゆる視聴者が面白いと思っているところと製作陣の面白いと持っているところのズレです。作品への理解が足りなかったアニメ製作陣の力不足だと思っています。
{/netabare}
<最後に>
全て見終わった時にどこか物足りなさを覚えました。もっと面白く作れただろうという意味での歯痒さです。色々制約はあるんでしょうが、原作販促アニメで終わってしまった印象が拭えません。