fluid さんの感想・評価
1.9
物語 : 1.0
作画 : 2.0
声優 : 3.0
音楽 : 2.0
キャラ : 1.5
状態:観終わった
火星に作られた第四東京都でロケットを開発する会社のアニメ
宇宙ものなので期待していたのですが、宇宙の技術的な話は一切出てきません。
宇宙を感じられるシーン(絵)もほとんどありません、集中して見ないと宇宙ものだと気が付かないほど出てこないです。
宇宙ものというよりは会社の上層部がどうのとか組織がどうのとか新型エンジンのプレゼントとか宇宙ものである必要が無い描写がほとんどです。その内容も新型は速いとかコストがどうとかありきたりで抽象的な話ばかりで、何がどうすごいのか具体的な説明も無いですし、何を工夫したのかとかも無いのでどこに共感したら良いのか謎でした。
「宇宙兄弟」みたいに人間ドラマを描いた作品というわけでもないですし、作者さんがいったい何を描きたかったのかよく分からないアニメでした。
あと、気になったのが、ロケットのフロントガラス?がピストルの弾丸で割れるシーンがありましたけど、その程度で割れるならそもそも宇宙空間を進む際に小さなデブリ(ゴミ)に衝突するだけで割れますよね。ロケットってピストルの10倍以上の速さで飛びますから。このアニメの新型エンジンは計算したらピストルの100倍で飛ぶようですし。エンジンを速くするよりその問題を解決する方が人命的にも重要なのでは。ピストルの10~100倍の速さを目視で回避してるのもおかしいですし。
最終回では管制室とロケットが通信してますが、168万kmも離れた場所となると光の速さでも5.6秒のタイムラグが発生しますから、あんな風にリアルタイム通信でサポートするのは不可能ですね。このタイムラグの問題はかなり有名ですが、ちなみに火星と地球のタイムラグは6.5分~44分らしいです。
というかこれってロケットではなく宇宙船ですよね。この2つは全然違うので、アニメの中でロケットと表現されるシーンが多すぎてずっと気になってました。
自らの質量を後ろに飛ばしたその反作用で前に進むエンジンのことをロケットエンジンといいます。燃料タンクやらなんやらとエンジンを合わせてロケットと呼ばれ、宇宙船においては燃料が尽きたら切り離されてゴミになる部分がロケットと呼ばれます。
このアニメでは「スウィンパーエンジン」という、恒星表面から吹き出すガスの流れを利用するエンジンが使われているようなので、そもそもロケットでもなんでもないですね。
アニメに細かいこと言う必要は無いとは思いますが、このアニメは解説シーンや技術者視点の話がメインなのに一般的な知識以下の描写しかないので、おいおい作者さん少しネット検索すれば面白いネタ沢山あるでしょうと思いながら見てました。