かしろん さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
胡蝶しのぶが好きです
【遊郭編放送記念 鬼舞辻無惨の台詞が好き を追加】
映画の感想は
TV版見て少しでも面白いと思ったなら四の五の言わずに劇場に行け!
漫画読んで全部知ってても面白いもんは面白い!!
煉獄さん格好良すぎ!!!
煉獄さんと炭治郎の会話泣ける!!!!
炎で号泣!!!!!
以上!!!!!!
なので、私が胡蝶しのぶを好きな理由を書き連ねます。
(※注 発売済単行本22巻までの内容を含みます)
【私が胡蝶しのぶを好きなわけ】
{netabare}一言でいうと
表と裏があるキャラだから
です。
しかも、ほぼ裏の姿でしか描かれていないから。
この鬼滅の刃という物語。
表裏のあるキャラはほぼいません。
見たまんま、感じたまんまのキャラばっかです。
それが物語として非常に読みやすくしている一因かと思います。
じゃあ、キャラとして薄っぺらいのか、というとそんなことはありません。
各キャラとも非常に細かく設定、肉付けされています。
鬼滅の刃にはジャンプの連載会議に落ちた元ネタの話があります。
時は明治。
捨て子の流(ながれ)は育手に拾われる。
鬼退治の修練を受け、鬼殺隊の一員となるべく藤重山でのテストを受ける。
しかし、仲間を守るために傷を負いボロボロになってしまう。
あの育手はやっぱり駄目だ・・・
師匠の汚名を晴らすため、盲目、隻腕、両足義足となりながらも、鬼殺隊
として鬼狩りを続ける。
この主人公ではキツすぎる。読者がノレない。ってことで、
「この世界観でもっと普通のキャラいません?」
と担当に問われた吾峠先生が
「炭売りをしている少年で、家族を殺されて、鬼にされた妹を元にもどす
ために鬼殺隊に入った・・・」
「その子です!」
というエピソードの末に鬼滅の刃が生まれました。
つまり、先生、色んなキャラを設定は細かく考えてたんですね。
その結果として、鬼滅の刃の物語進行において、伏線の張り方はほぼキャラ
の設定のみとなってます。
久しぶりに不死川玄弥に会う、なんかいきなり成長&匂いも・・・ >鬼喰い
機能回復訓練でカナヲと追いかけっこ、目が良いっぽい >最終奥義
などですね。
あの時のあの行動が今ここで!
みたいな伏線がほぼほぼないんですよね。
逆に、それも読みやすさの一因となっていると思います。
そんなしっかりと細かく設定されてるけど裏表のないキャラの中で、裏表がある
だけじゃなくほぼ裏の姿を描かれ続ける胡蝶しのぶ。
じゃあ、彼女の本当の姿、表の姿は、というと、姉の胡蝶カナエといている時、
カナヲの過去エピソードの姿ですね。
おっとりの姉に対して、気性が荒くしっかり者の妹。
鬼滅の登場人物だと神崎アオイに近い性格が彼女の本当の姿です。
姉を殺された彼女。
泣き叫ぶ暇もなく、蝶屋敷の主人としての役割が彼女にのしかかります。
手本にすべきは愛していた姉。
その姉を模した姿勢を自らのものとします。
おっとりと、常に笑顔で、鬼すらも仲良くすべき存在だと思い・・・
ただ、一つ、どうしても自らのものと出来ないものがありました。
それは、花の呼吸。
上背も筋力も無い彼女は鬼の首を斬ることが出来ない。
ならばどうするか。
鬼を殺すことが可能な毒を開発すること。
そして、その毒を鬼に注入することが可能な呼吸を編みだすこと。
その結果として、刃のない剣で鬼に毒を注入する蟲の呼吸を完成させます。
そして強い蟲柱となった彼女。
しかし、非常に脆い面を見せます。
機能回復訓練での炭治郎との会話。
「怒ってます??」
「笑っているけど怒ってる匂いがする」
思わず本音を吐露します。
「鬼と仲良くするという夢を託したい」
「貴方が頑張ってくれたら私も救われる」
家族を殺され、姉を殺された彼女にとって、鬼は絶対に許せない存在でした。
姉の意思を継ぎ、口では仲良くと言っていても、そんなことは出来ようはずが
ありません。
そんな彼女は、最後に、自らを差し出すことで宿敵を倒します。
その最後の台詞がこれです
「とっととくたばれ糞野郎」
ひゅー!かっこいいー!
表と裏、強さと脆さ。
併せ持つ彼女。
そりゃ、好きになろうってもんです。{/netabare}
【鬼舞辻無惨の台詞が好き:経営者の孤独】
遊郭編放送決定記念に。
(注 発売済単行本23巻(最終巻)の内容です)
{netabare}「私を置いて行くなアアアア!!」
鬼舞辻無惨、最後の台詞です。
すっごい好きです。この漫画を最高傑作にした台詞だと思ってます。
何故か。
間際に放ってしまう思わぬ本音。
すっごい、人間臭い台詞だから。
散々メチャクチャやってても、結局は、孤独に耐えられない一人の人間
だったと分かるから。
誰もたどり着けない至高の領域に立った鬼舞辻無惨。
全てを意のままに操る鬼社会のトップとして君臨しづけますが、その傍ら
に立てる人物は現れることはありませんでした。
しかし、最後の最後にその人物が現れました。
それが竈門炭治郎です。
彼を自分の意思を継ぐものとして後継指名します。
ですが、パワハラ会議と呼ばれるあれに象徴されるように、至高の領域に
一人で立ち続けた鬼舞辻無惨は、力で相手を抑え込む術しか持ち合わせて
いません。
炭治郎に対してもそう。
お前は恨まれている・・・
誰もお前を待っていない・・・
懐柔などせずとも思い通りにやってきた無惨は、今まで通り、力をもって
抑え込もうとし、反発されます。
思い通りにならず、そして、死に際に本音を叫んでしまいます。
「私を置いて行くなアアアア!!」
この人間臭さ。
良いです。{/netabare}