fluid さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 2.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
勘違いネタを小出しにしていくタイプのギャグアニメ
男子2人と女子3人が互いに勘違いして関係がねじれていく微妙な空気をおもしろおかしく描いた作品。
よくあるハーレムアニメかと思ってましたが全然違いました。
2~3話あたりからギャグが増えて行き中盤以降はほぼギャグがメインになり、1話目とはほぼ別のアニメになります。
これ1話目で見るのやめた人かなり多いんじゃないですかね、もったいない。私も今回が再視聴です。
学園トップアイドルのお嬢様系メインヒロインが恋をしてだんだんポンコツになっていく様子とか、イケメンキャラの友人がだんだんゲス男なってい様子がかなりおもしろかったです。
これ、ゲス男の存在が大きい気がしますね。ゲス男の視点でときにおもしろおかしく解説を、ときにおもしろおかしく横やりをと、ねじれていく関係が一層おもしろく伝わってくる感じ。
ただ一つだけ気になることが。
6話の公開告白シーンは何を楽しめばいいのかよく分からない展開でした。
5人が5人とも互いに勘違いしてるので誰と誰の関係を見ればいいのか、10通りの組み合わせがあるので複雑すぎて分かりにくい。おそらく原作なら考える時間があって面白さも伝わってくるのでしょうけど、アニメだとテンポよく一瞬で見せられるので何を楽しめばよいのか意味不明な感じがしました。
あと、主人公が誰を好きなのかはっきりと言葉にしないので、好きで付き合い始めたのか成り行きで付き合い始めたのか、二人の関係を繋げる理由が弱すぎてラブコメとしてはよく分からない展開だなと思いました。付き合えるなら誰でも良かったんじゃないのという感じ。
そもそも部活を褒められただけで好きになるという描写もちょっと理由が弱すぎる気がします。{netabare}カレンはゲームについて語るシーンがほとんど無いですし、熱意が感じられる描写も無いので、なんとなくやってるようにしか見えないゲーム部を褒められただけでなぜ好きになるのか?理由が弱すぎると思います。ちあきと主人公の関係みたいにもっと運命的な設定を用意して欲しかったです。{/netabare}
12話でゲームは楽しみだけではなく苦労もあるという議論がありましたが、上手い結論が出てない感じでしたね。
超有名な考え方の一つに「幸せと不幸せは表裏一体」とか「自由は不自由が無ければ感じることが無い」というものがあります。12話の内容はまさにこれですね。
苦労しなければ手に入らないからこそ、それを成し遂げたときに満足感が得られるわけで、
苦労しなくても手に入るものならそこに満足感を感じることは無いという、まるで雲をつかむような話ですが実はこれが真実です。
さらに言うなら、手に入れた瞬間にそれは非日常から日常へと変化してしまいますから、結果よりそこに至るまでの過程が重要というわけですね。まさにゲームは理にかなった娯楽というわけです。
よくあるアニメの最終回、切り良く終わらせずに俺たちの戦いはまだまだ続く風に終わるのも同じ原理。
恋愛が成就した後より過程の方がおもしろいのも同じ原理。
ありとあらゆる場面に共通する世界の真理ですね。