fluid さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
現実なのか非現実なのか
現実なのか非現実なのか何なのか見極めるのが楽しいアニメでした。
オカルトなのか科学なのか?よく分からない不思議な事件に巻き込まれていくお話。
描写が細かすぎて追いつくのが大変なくらいの情報が押し寄せてきてクオリティの高さにビックリしました。シュタインズ・ゲートと同じ作者さんなんですね。どおりで。
ただこれ、かなりおもしろいけど、疲れてるときに見るのは辛いかも。実は以前、初めて見たときありえない胸の大きさの女の子がパンチラしそうになりながらうるさく登場してきて1話で見るのをやめたんですよね。もったいないことをしました。
津田健次郎さんが演じるオカマのマスターがとても良かったです。
後半から最終回あたりで早口1.5倍速みたいな感じになったあれは、視聴者に考えさせる時間を与えないための演出とかですかね?いやでもあれ、熟練の声優さん達ですら口が追いついてない感じでしたし、単純に話数が足りなかったのでしょうか。
アニメの中で過去に{netabare}戻れないと言ってますが、
自分たちが死体となった未来の記憶を持った零体が過去へ戻ってよみがえる。
これって現実を書き換えてますし、意識だけとはいえ過去に戻ってますよね。
アニメで語られる、零体と現実の異なる時の流れを調整する、これは相対性理論の固有時と同じ考え方で未来に行くことは説明できますが、この方法では過去に戻ることは説明できません。
過去に戻る方法はまったく説明されていないのに最終回で何を根拠に戻れると自信たっぷりに言ってるのか意味が分かりませんでした。
アニメに小難しいことを要求するつもりはないですが、具体的に説明するならするでしっかりと理解して使わないと意味が分からない感じになります。
■死亡した時点を基準に時間が伸び縮みする、について
結論から言うと、これはよくある勘違いです。アニメの中でいきなり出て来たこの発想には何の根拠もありません。おそらく作者さんは過去に戻るための物理的な原理を勘違いしてます。
時間はあくまで、現在を基準に変化します。現在以降の物体の時の進み具合は調整可能ですが、過去に経験した時の流れを操作することはできません。
少なくとも、このアニメで語られる周波数のように伸び縮みするという考え方や、相対性理論ではそうです。
死亡した時点を基準に過去に戻るためには、もっと別の理由付けが必要となります。例えば相対性理論では、一般的な解釈の範囲では、時空の中を進む物体の時間は操作可能ですが、過去に戻ることはできません。ただし、時空の中の物体ではなく、その物体の入れ物である時空そのものが過去に繋がってる場合は、その過去に繋がる時空の中を通過する物体は過去に行くことができます。仮に、重力による時空の歪みがワームホールとなって過去に繋がってるとしたら、一概に過去に戻ることを否定できません。そもそも時空の歪みが何なのか、事象の地平線のあちら側がどうなってるのか誰にもわかりませんから、過去に繋がってる説は否定も肯定もでません。相対性理論以外にもいろいろありますよね。時間軸は存在せず過去も未来も現在も同時に存在してる説とか、量子論的なタイムトラベルとか。下手に理由付けせずに、霊界は過去に繋がってるの一言で良かったのに、よく分からずに設定つけ過ぎて矛盾が生じちゃってる感じですね。
例えば、こんな設定なら納得できますね。
・未来で起こるであろう出来事、無数の可能性の未来を予知夢のように体験し、実際には8分間、夢を見てるのと同じ状態。
ただしこれは、一般的な物理の解釈とは大きくずれてますから、最終回で彼らが何の根拠も無く死亡した時点の過去に戻れると、はしゃぎながら言ってるのが謎でした。
映画のアベンジャーズのように量子論の多世界解釈的なタイムトラベルという設定でも説明できますし、零体の原理は無数に考えられますが、アニメの中ではあくまで素人目線の予想という形で説明されるだけでした。零体の開発者に近しいテスラの娘が過去に戻れると言うなら説明不足でも納得できたかもしれませんが。
{/netabare}