Fanatic さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
屈指の普通系ヒロイン、宇佐美さん
feel制作×及川啓監督は、「俺ガイル」「ヒナまつり」等と同じ組み合わせ。
キャラデザは「のんのんびより」「まちカドまぞく」等の大塚舞さんです。
主人公で唯一常識人の宇佐美、二次元美少女マニアの内巻、中二病の美少女・伊万莉、金髪ロリの電波系コレット、昼寝ばかりしている部長さん、ロリ巨乳の顧問・夢子先生など、おかしな美術部員たちが繰り広げる学園コメディ。
……と言っても、美術部はあまり関係ありません。
恋愛要素もありますが、基本的にはコメディ重視。
ただ、爆笑を取りにくるというよりは、日常系に近いノリで、クスッとさせたりニマニマさせたり、というくらいの匙加減。
癖のあるキャラがたくさん登場する中で、キーパーソンとなるのは唯一常識人の主人公、宇佐美さん。
中学二年生のごくごく普通の女の子なんですが、とにかくとてもチャーミングです。
クルクルと変わる豊かな表情など、ビジュアル的な魅力はもちろんですが、周囲から見たらちょっと面倒臭い〝恋する乙女〟な部分が、全編に渡って非常に丁寧に描写されています。
思い返せば、中学時代の恋なんて本当に幼くて、キスはもちろん手を繋ぐことさえ別世界のお話でした。
現実味のあるゴールポストは好きな気持ちを相手に伝えられるかどうか。
そして、結果をあれこれ想像して悶々とする毎日。
でも、好きな人の前だと素直になれずについつい素っ気無い態度を……
って、私がウブ過ぎた?
最近の中学生はSNSもあるかもですし、もっと進んでますよねw
とにかく、そんな思春期の恋心を、内巻くんに恋する宇佐美さんを通して本作は見事に描いてくれています。
この作品、六割は宇佐美さんの可愛さでできてます。
さらに、この宇佐美さん、リアクション面でも八面六臂の大活躍。
ここで言うリアクションとは、言葉によるツッコミはもちろん、何気ない受け答えや所作、表情の細かい変化など、周囲の言動に対する反応のすべてを指します。
周囲の問題行動に振り回される常識人の主人公……それ自体はよくある設定ですが、的確な反応を自然体で使い分けられる主人公となると、そうはいません。
美術部の面々は、ピーキーではあっても、このジャンルにおいてはある意味記号的でありふれたキャラばかり。
彼らだけでは凡百のドタバタコメディで終わっていたでしょう。
そこへ、ごく普通の宇佐美さんのリアクションを加えていくことで、周囲の魅力が最大限に引き出されていきます。
キャラクター配置や設定がありふれたものであっても、登場人物それぞれがきちんと役割を果たして魅力を引き出し合えば化学反応が起きる好例だと思います。
最初は、何だかよくある学園ものだな……程度の認識で観ていたのですが、あの掴みの弱い第一話も、今から思えば宇佐美さんを引き立てるためのギミックだったのかもしれません。
各話に2~3個のエピソードが入った構成も、間延びせずテンポが良くて非常に観やすかったと思います。
(個人的には、5話の「勘違いトレイン」と、8話の「秘密の部屋」がベストエピソード)
奇をてらうでもなく、特徴的な属性を付与するでもなく、ごく普通の女生徒である宇佐美さんの魅力に、いつの間にかハマっているような、じんわりと居心地良くなっていくような良作コメディでした。