アム さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
海上ガルパンというにはガチ過ぎる
通りすがりのミリオタがレビューしまーす
結論から言っちゃうと、その手の話題に詳しい人間なら凄さが分かる面白いアニメといえる。下手に突っつくと火傷するぜ。
まず、船の挙動。波の影響で船が大きく傾いてたり、艦橋に水飛沫がかかる描写などがリアルで臨場感がある作品と言える。てか、作画自体ゲームのwowsとかと比べても遜色ないよね。
砲撃シーンでは、当時の日本やアメリカの軍艦で連装砲以上の砲に、斉射時に発砲炎が干渉して精度が悪化しないよう発砲タイミングを若干ズラす「発砲遅延」という対策が本作では再現されてたりする。武蔵の砲撃シーンを見てみると、大和型は三連装砲だから発砲のSEが3回分聞こえるのがお分かりになるはずだ。
これを再現してるアニメ作品は余り見ない…何故なら斉射の方が作業が楽だからね。これは非常に珍しい特徴ですよ。
砲射撃時に衝撃を緩和する為に、砲身がガクンと後ろに下がる「後座」という動きも再現されていたり、射撃時に「測距儀」を回しているのもポイントである。
最後にセリフについても触れておこう。本作は海上自衛隊の監修が入っている。「艦長」の発音が独特なのはそのためだ。なぜか、触れる人は少ないがね
他にも「両舷前進原速、赤黒なし、進路150°」なんて専門用語の塊みたいなセリフが登場する。
原速というのは12ノットのことで赤黒はエンジンの回転数の指示でこれで細かい速度調整をする。(赤は回転数を下げて黒は上げろという指示。10回転で大体1ノット変化する※黒10≒1ノット増速)
また、このような進路の指示をした時、舵取りが復唱をしているのも実際の操艦の流れを上手く表現しており、海自監修を活かすことができていると言えるだろう。
取舵や面舵(取舵=左旋回、面舵=右旋回)の指示をした時、旋回を終え舵を中央に戻す指示である「戻せ」という指示が操艦シーンで再現されているのは本作くらいなものである。
ついついオタク特有のなんとやらでレビューが長くなってしまったが、これら以外にもたくさんの面白いポイントや作り込みがある。是非一度その目で確かめてもらいたい作品だ。