ryuzot さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
おもしろいが、少々乱暴
まずは音楽、美術などに関しては素晴らしいとしか言えません。二次大戦中の小国、少し廃退的で、ノスタルジックな美しさ、それも日常シーンとシリアスなシーンの双方を描くにあたり、音楽と美術の果たした役割は計り知れないでしょう。
作画も安定していて、3Dもよく動いており、また演出などもよく寝られていたと思います。
ただ少し問題となったのがストーリー展開でしょう。中盤まではよくできていたと思いますし、敵の魔女が現れるのも個人的にはよかったと思いますが、その後の展開が少々乱暴で急ぎすぎていたと思います。
{netabare}
なるほどストーリーとしてはゲルマニアが倒されるまでを描く方がまとまりがよいかもしれませんが、この作品としてはそこまでする必要があったのか疑問です。
確かに姫君の世界平和という願いを達成するためにはそうした方がよかったのかもしれませんが、そもそも戦争がなくならないのは作中でも明示されていますし、それならば停戦状態にする方がまとまりがよかったと思います。
アルノルトにしても前半で、主人公を理知的に追い詰める裏主人公として描かれていたのに対して、終盤ではすべて自分のために行動していただけと明かされたのは肩透かしでした。
{/netabare}
特に終盤、このように残念な点は多かったものの、1クールアニメとしては仕方がないところもあり、また音楽、美術からなる雰囲気は非常に洗練されていたと思います。