遊微々 さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「賭郎」って偉大やったんやなぁ・・・
リベンジマッチ2本目。
視聴理由
その1、OPだけは知っていたから。
その2、キャラデザは割と好きだったから。
その3、当時公開されてた劇場版がやたら高評価だったから。
断念理由
その1、駆け引きという名の屁理屈の押しつけが薄ら寒かったから。
その2、主人公のキャラがキツイ。
その3、設定がそもそも破綻し過ぎていて緊張感が0。
そん4、当時『嘘喰い』にドハマりしてたから。
てなわけで放置してましたが、頑張って再視聴しました。
結論:「孫に比べれば全然見れる!」
・・・・果たしてこれは評価していると言っていいのだろうか?
真面目に頑張って見所探してみました。
一つは作画。大きく崩れたところもなく、アクションシーンの見せ方もところどころ「おお!」と唸るところはあったので概ね満足。キャラクターデザインも他作品と比べるとそこそこ特徴的で嫌いではないです。
二つ目は声優陣。人気どころでメインを固めていたため安定感は抜群、日笠さんは特に良かったと思います。あと茅野さんのこの手のキャラクターは中々拝めないので新鮮でした。
三つ目はOP。普通に良曲だと思います。本編見る前から聴いてはいましたし。映像も悪くなかった。
が、肝心の物語とキャラクターについては正直見出せる長所が・・・
なんとか完走には至りましたが、例の劇薬で抗体を作ったおかげなところはあります。
以下、悪いと思った箇所。かなり辛口なので今作が好きな人は注意してください。
{netabare}やっぱり駆け引きが浅い。屁理屈の押し付け合いみたいになってしまっているところ。はっきり言って寒い。
あとただキャラクターのスペックの設定を語らせてスゲースゲーと持ち上げたところで、それを納得させるだけの説得力ある描写を付随しなければただ作者のオ〇ニーを見せつけているのと一緒です。敵サイドのオツムが少々残念すぎるのもマイナス。作画や演出に関しては特段問題を感じなかったので、これは単純に原作そのものの技量に原因があるのでしょう。
そしてなにより設定が破綻し過ぎている。最大の原因が「暴力」の排除。
恐らく純粋なる駆け引きのみの勝負に持ち込ませるためにこの設定を世界観に付け足すことで違和感を無くそうと試みたのでしょうが、はっきり言って愚策であり一番の問題点になってます。
そもそも武力・暴力が一切介入しない世界においては、種族の差、身分の差は何の意味も持ちません。人々が何故不当な圧政を強いられてもそれに対して反抗が中々できないのか、それは当然圧倒的な暴力によって自分の命が脅かされる恐怖があるからです。
それを無くしてしまっては彼らが強者に従う道理はありません。「やれるもんなら力づくでやってみろ、まあその力は使えねえけどなww」で終わりです。
なのに貴族がどうだの序列がどうだの、成立するかそんなもん!って感じですよ正直。上位種族とかがやたら威圧感ある感じで迫ってますが、「どうせ力使えないんでしょ?」という感情が先行してしまって何をイキってんだこいつら?としか思えないですよ。緊張感も何もあったもんじゃない。
この点『嘘喰い』は本当に素晴らしかった・・・。知力だけでなく暴力の重要性についても言及し、負けた相手が自前の武力によってその勝負の結果を有耶無耶にしようと試みても、「賭郎」の存在によってそれを簡単には許さない、これこそ設定の妙というものです。
また読者を惹きつける劣勢の描き方と予想を裏切る駆け引きの数々。ノゲノラは本当にピンチ描くのがヘッタクソだなーと思いました。劣勢が全然伝わってこない。嘘喰いは圧倒的ピンチのハラハラ感がビンビンに伝わってきたものです。しかし貘さんが一度カリ梅かじるとそのピンチが一瞬で安心へと切り替わる、本当にあの設定は巧かった!
駆け引きに関しても秀逸で、特に印象に残っているのがラビリンス編、貘さんが雪井出との勝負にわざと負けることで、屋形越えの敗北を押し付けるシーンなんかホント痺れるものが・・・
っていつの間にか『嘘喰い』の話になっとるやないかーい!
{/netabare}
うーん、まあまずまずってところで。
ちなみに映画は神です。本作は世界観捉えるための前菜とみなしましょう。