カミタマン さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
これぞ!アニメーション!!
この作品,まず驚かされるのが美術面で,隅々までデザインされた作品世界です。
海中の町しおししおはサントリー二島をベースにしつつ曲線を比率を高めたような独特の町並みです。陸の町は現代の日本の町をベースにしながら海の町同様に曲線比率を増した独特の景観になっています。また自動車も現代の日本の自動車のデザインをベースにしながら三輪となっています。電車の窓は船舶などの旋回窓をイメージしたデザインになっています。風景中の文字も日本語の文字なのですが,様々なフォントがありつつも統一した感じが出されています。また様々な物のデザインに青の差し色や魚や波の装飾が施されています。とにかく隅々までキッチリとデザインが行き届いた世界が描かれています。ここまで町並み全体を統一感持たせてデザインするとなると実写やCG合成では手間やコストリアリティーなどの面で厳しいと思います。そしてなにより全体が絵として美しい点がすごいと思いました。
以下ネタバレ【閲覧注意】
{netabare}作品の後半は前半から5年後の世界が舞台となります。中学校2年生は19歳になり,小学校3年生は中学校2年生になり,一部の中学校2年生は年を取っていない,そんな世界です。特に小学校3年生が中学校2年生に成長するというのは実写ではかなりハードルが高い表現です。この点もアニメーションならではの良さを遺憾なく発揮できています。
ストーリーは大まかに言って前半は日常系
後半は伏線回収のシリアス系
「シュタインズゲート」に代表されるタイプの構成です。
正直言って後半は泣きます(>_< )
ピアノが印象的なBGMや物語に被って始まるEDなど泣かしに来ていますw
間違いなくアニメーションの長所を遺憾なく発揮した傑作だと思います。
ただし,自分としては,若干それはちょっと違うのでは・・・というポイントもあります。従って評価は満点でありません。
まず非常に大きな点として,26話費やしている割には,個々のキャラクターが弱いと感じます。あくまで自分はですが・・・^^;全話視聴後○○ロス(もうそのキャラに会えないという喪失感)が有りませんでした。美海がいるか!w
次に,水中の町しおししおでの水の存在感の無さ。町に行くまでは泳いでいるのですが,町に着くと空気の中と全く区別が付きません。普通に歩いたり走ったりしています。水の抵抗は?海の人は海水よりも比重が高いの??食べ物は水中に拡散しないの???水中シーンでは常に違和感が付きまといます。
最後に,1話で光に,まなかと紡の出会いを「特別な出会い」と表現させて,最終的にはそうでは無かったという,意図的にミスリードを誘うシナリオに違和感を覚えました。{/netabare}
最終話のサブタイトルは衝撃でしたw
タイトルの「凪のあすから」の「あすから」について「明日から」なのか?それとも何か違う意味があるのか?ずっと引っかかっていた答えがまさかの英語のEarth collarとは!意外過ぎです。自分の勝手な解釈ですが,ここで言うアースカラーとは自然の色と言うよりは地球の色つまり青を指しているのでは無いかと思います。差し色として青を印象的に使っているわけだ!
2020/11/09