Fanatic さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
素直にハッピーな気分になれる♡
原作は、別マガで連載されていた八田鮎子さんの作品です。
監督のカサヰケンイチさんは「ハチクロ」や「バクマン」等でも有名な方ですが、「とらドラ」では、個人的に神回だと思っている19話のコンテなども担当されています。
制作は「ゆるゆり」シリーズ等を手掛けたTYOアニメーションズ(現:ゆめ太カンパニー)
オオカミ少女なんていうので、どんな天邪鬼なヒロインが出てくるのかと不安でしたが、普通に素直な良い子でした。
イケイケな友達の輪に入りたくて、街で盗撮したイケメンの写真を見せて自分の彼氏だと吹聴してしまうエリカ。
――なぜそんなことをしちゃうかなぁ……。絶対バレるじゃん!
と思いながら観ていたら案の定、そのイケメンは学校でも王子と騒がれているほどの有名人・佐田恭也だったことが分かり、テンパるエリカ。
嘘がバレないよう、恭也に恋人のフリをしてもらえるよう頼み込むエリカでしたが……というところから始まる、いわゆる偽装恋愛系のストーリーです。
嘘が災いして……というきっかけこそ〝オオカミ少女〟でしたが、基本的には素直でまっすぐな性格のエリカにすぐに好感が持てました。
一方、人当たりがよく、女子からは絶大な人気を誇る美形男子の恭也くんですが、本性は、エリカの頼みを聞く代わりに彼女を犬扱いして弄ぶ腹黒ドS男子。
両親の別居が原因で恋愛不信に陥ったという経緯があり、エリカの頼みを承諾したのも単なる暇潰しのためでしたが、次第に本気になって惹かれ合っていきます。
最初は、美形でドSなんて嫌味でいやだなぁ、と思いながら観ていたんですが、硬派イケメンという設定で、他の女の子にも無闇に優しくするようなことはなかったので、そこは良かったです。
愛情表現は不器用ですが、根は優しい部分も見え隠れして、まあ、ツンデレ過ぎてちょっと腹が立つ場面も多かったけど(笑)、基本的には好感を持って観ていられました。
{netabare}
二人の仲のターニングポイントとなるのは、中盤の日下部くんイベント。
いわゆる陰キャの日下部くんですが、エリカと仲良くなってから少しずつ自信を持つようになり、同時にエリカのことを好きになっていきます。
エリカに冷たい恭也くんを見て、自分の方がエリカを笑顔にできると思い告白した日下部くんですが、結果的に、これがきっかけでエリカと恭也が本当のカップルになります。
でも、そんな二人を笑顔で祝福する日下部くん。善人過ぎて泣けてきました。
そのあとに登場の神谷くんは、恭也に負けず劣らず校内で人気の美麗男子。
恭也ほどのイケメンがエリカ一人と付き合っていることに納得がいかず、女遊びをさせようと画策しますが「ゴミをいくら集めてもゴミ」と、相手にされません。
そういうとこなんですよね~、恭也くん。
これだから、いくら冷たくされてもキュンってなっちゃう♡
最後は、恭也の家族との確執イベントでしたが、これもエリカのまっすぐな行動で無事解決。
恭也くんのお姉さんやお母さんにも認められ、無事ハッピーエンドを迎えます。
{/netabare}
振り返れば、緊張感のあるヤキモキ展開は前半だけ。
なんだかんだ言いながら一途な二人なので、中盤からは、もう大丈夫だろうなぁ、というイチャコラパート。
神谷くんイベントとか家族イベントとか、それなりに障害も用意されていたけれど、次の回では問題も解決しちゃうようなテンポで、ストレスもほとんどなし。
引っかかるものがないと言えばそうですが、少女漫画の王道展開を気持ちよ~く描くことに特化してあって、素直にハッピーな気分になれる作品でした♪