waon.n さんの感想・評価
4.5
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アニメって面白いなってなるやつ
オムニバス形式ではなく単なる短編集として発表されているが、その実統一性を見ることができます。
それは、絵とCGの融合にあると感じます。
アメリカのアニメーションはフル3DCGへと舵を切った。そしてその成功はアナと雪の女王を見れば分かる。
日本のアニメでも攻殻機動隊がフル3DCGで制作された。
大好きなシリーズ攻殻機動隊はSF的なピリピリとしたエッセンスを抽出し、ショートケーキに混ぜ合わせたものへとなりました。
何が言いたいかといえば、3DCGの限界は不気味の谷を越えられないのではないかというところです。カワイイ方向へデザインを変更することでしか解決できないのが恐らく現状なのではないでしょうか。
さて、この『SHORT PEACE』に話を戻します。
技術的なところは完全に不明ですが、絵と2DCGと3DCGを掛け合わせているのでしょうか、とても不思議なアニメとなっています。
絵とCGの境目をなくしていくという方向性の方が私個人の好みだけでいえば、完全にこちら側。
上手く使うことで、背景との整合性、不整合性を巧みに操ることができ、映画のような臨場感を味わえる作品となっていると感じられました。
特に素晴らしいのが、『火要鎮(ひのようじん)』ですね。
エフェクトの美しさとアングルやカット割りなんか鳥肌ものでした。
いつかどこかで、技術的な解説を聞いてみたいものです。
『GAMBO』これも良いです。動物の作画ってこんなにリアルに描けるものなのでしょうか、こちらも鳥肌ものです。
あんなに重さとか重心の位置まで感じられるような動物の動きってCG使ってるからできるものなのでしょうかね、とても魅力的な熊でした。
鬼のキャラデザもスゴイですね。気持ち悪さ、不気味さがそのまま強さにも直結しているような出で立ちでした。こちらの動きも素晴らしい最高のアニメーションであったと感じます。
全編を通して同じことを感じたのですが、まず最初の作品において、ん?と感じられたものがあります。それが『九十九』の傘の音です。
開いて閉じる。そして切って、塗って、貼って、それは布でも同じことでした。その音の再現性の高さに驚きます。堅い所から柔らかい所へ、中枢から末端へ向けて力の流れを感じるようではありませんでしたか?
これは『火要鎮』では火の音が凄かったですね。臨場感を与える音にも大注目(?)の作品でした。
この4編のなかで一番音楽が好きなのがこの『武器よさらば』高揚感があり、ハリウッド映画顔負けではないでしょうか。
こうやって4つの作品を並べてみると異質感がものすごいですね。
タイトルもアーネストヘミングウェイの邦題『武器よさらば』そのままですね。内容は知らないので、知ったふりもできません。
さて内容も荒廃した未来を描いていまして、SF的な内容となっていますが、なかなか良いオチになっているので、観ていただきたいですね。
「強制ディスチャージィィ」が個人的にツボ。