北山アキ さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
舞台は整った
原作未読
最後まで観て
バーチャルのオチをつけて完結してないのにまとまりよく1クール終了。
フィジカルとバーチャルが連続する層で相互に影響するなら、どちら側もリアルでバーチャルだ。
フィジカルな自分がバーチャルな存在でもあるというリアル。
その上で個体としての選択がある。
ここらへんをどう深化させるか2期に期待。
CパートやEDに中の人が出てきたりしたのはこういうテーマ性と関係あるんだろう。
サイバーセキュリティ政策になぞらえればマスターが第2層なのね。
10話まで観て
「どうせバーチャルなんだ」をどう見せられるかが1クール終盤のポイントかなと思う。
virtualは「仮想の」という訳語が一番広まっていると思うけど、「実際の」とか「事実上の」という意味でもある。
つまり、「虚構」というより「物理世界じゃないこと以外は現実」みたいなニュアンスがある。
言った本人の意図は「虚構」に逃げ込むことだけど、作品としては明らかにそう考えていないので、そこをどう切り崩しにくるでしょう?
デジタル空間は異世界じゃなくて物理世界と地続きという話にも通じる。
6話まで観て
所謂なろうの異世界ものとは一味違う。
キャラが異世界ボケしていないところが良い。
パーティーの女キャラは自己との戦いに拘泥しがちなんだけど、
主人公は世界のルールと戦っている。
だから感傷的な理由ではなく、ゲームをクリアできるか否かで行動を決めてゆく。
どちらにしても、善玉vs悪玉などの集団の論理を回避して個人の物語に回帰できるようになっている。
個人の物語なので、パーティーの在り方もゲマインシャフト的なうさん臭さに陥らず、ゲゼルシャフト的になる。
舞台は整っているので、これからの振れ幅や堀り深でもっと面白くなることを期待する。
価値観がブレて、ズレて、ぶつかってゆかないと面白くないよね。
バトルしか無い「呪術廻戦」が退屈になってきたところで、こちらのほうが味を出してきて楽しみになっている。