「バキ 大擂台賽編(Webアニメ)」

総合得点
70.0
感想・評価
68
棚に入れた
280
ランキング
1668
★★★★☆ 3.6 (68)
物語
3.6
作画
3.6
声優
3.7
音楽
3.4
キャラ
3.9

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 2.5 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

範馬刃牙復活ッッ

 原作は既読。
 構成的には中国大擂台賽と、マホメド・アライJr.を中心とした展開の二部構成で、前半では
毒により死期が迫った範馬 刃牙の復活劇というテーマも。
 この刃牙の解毒治療に関しては烈 海王の頑張りが印象的なのだが、この辺がなんとも可愛い。
 本シリーズではヒロインを差し置いて一番可愛いのは烈 海王では?、と思ってしまう。

 この作品(原作)は割と序盤から予定していたプロットをその時その時の感覚で
変更しているような印象があり、「最凶死刑囚編」からそれが顕著になった感があるが、
中国大擂台賽においてもそれが健在で、そもそもトーナメント戦だったのが途中から
中国対日米連合の5対5対抗戦になってしまうし、その対抗戦も中国側が強そうな助っ人を
用意して全勝宣言するなど、強者感を出してきたのに、蓋を開けたら初戦でいきなり負けるし、
更に最終戦を待たずして負け越しが決定してしまうしで、バトルものの定法を裏切るような
肩透かし展開が続く。

 この強そうに見せて呆気なくの肩透かし展開はアライJr.を巡るくだりでは更に激しくなり、
出だしこそ強者感丸出しだったアライJr.だが、ジャック・ハンマー、渋川 剛気、愚地 独歩らに
いいようにやられ、その後覚醒したかような描写の後の対刃牙戦では
瞬殺されてしまうという・・・。
 「一体、何しに出てきたんだ?」と思わなくもないが、本シリーズのファイターは
多かれ少なかれ精神構造がいかれているような印象があり、そんな中で心はまだ
アスリートみたいな彼の存在は「刃牙」世界のファイターと一般の温度差を見るのに打って付けの
存在だったかも。実際、後半は彼が主役と言ってもおかしくないような展開。
 このアライJr.がやられていく展開において、相手が負傷している時にも躊躇なく戦いを
仕掛ける渋川、独歩の行為こそ「刃牙」世界では正しいスタンスとして描かれていくが、
バトルものとして観るとやはりそこにカタルシスは得られにくい。

 アライJr.に関しては出だしこそ刃牙のライバル的描かれ方だったが、そうなることもなく
終わってしまった。
 このライバルうんぬんに関してはアライJr.だけに限らず、加藤 清澄に始まり、花山 薫、
愚地 克巳、ジャック・ハンマーもライバル登場を思わせる出だしだったが、誰もそうなりえず。
 主人公の戦う相手が憎むべき敵ではない場合、ライバル的存在がいないというのは結構稀有な
気がするが、これに関しては結局は刃牙自身が父ちゃん(範馬 勇次郎)にしか、意識が
向いてないのが大きいんだろうなあ。

 全体を通してみると、プロットは今まで以上にいい加減なものになっており、本来そういう
作品はあまり好きではないのだが、線(ストーリー)のいい加減さを凌駕する点(局所の展開)の
勢いやキャラの魅力に引っ張られてしまう。
 キャラクタードラマで言えば、刃牙、アライJr.、松本 梢江の三角関係。まさか
「刃牙」シリーズでそのようなものが見られるとは思わなかった。
 ここで語られる刃牙の恋愛論は正論ではあるが、
「女の子にそれを言っちゃ・・・」みたいなw。

2020/11/06
2022/01/01 加筆・修正

投稿 : 2022/01/01
閲覧 : 306
サンキュー:

3

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