「とある科学の超電磁砲T(TVアニメ動画)」

総合得点
84.3
感想・評価
576
棚に入れた
2800
ランキング
294
★★★★☆ 3.9 (576)
物語
3.9
作画
4.0
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
4.1

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ネタバレ

STONE さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

更に話作りが上手くなった感が

 原作は未読。
 「とある科学の超電磁砲(以後、超電磁砲と表記)」も、大元である
「とある魔術の禁書目録(以後、禁書と表記)」もアニメしか知らないが、アニメ作品としては
超電磁砲シリーズの方がよく出来ているとかねてから思っていた。
 で、共に3作目になってもその思いは変わらず、と言うか一層強くなったと言うか。

 禁書の原作がラノベ、超電磁砲の原作が漫画ということで、元媒体がアニメ化しやすいと
いうのもあるだろうし、禁書はキャラ、そのキャラの所属する組織・団体、舞台、設定などの
情報量が多そうで、それをアニメに落とし込むのはやはり難しそう。
 その点、超電磁砲は舞台のほとんどが学園都市内で、禁書ほど群像劇色は強くないし、設定に
関しては先行作品である禁書で説明済みという、助けてもらっている部分もあるしで、その分
ストーリー展開に力を注げるというのはあるのかも。
 それ以外にも演出など作りそのものが秀でている感はあるのだろうけど。

 そんな超電磁砲シリーズの中でも、本作はこれまで以上に出来が良かったんじゃないかと。
 各エピソードが穏やかな日常回から始まっていく形はこれまでと同様だが、これが
前エピソードのクライマックスに対しての箸休め的な幕間回でありつつ、ちゃんと本筋への
仕込や導入にもなっているという相変わらずの上手さ。

 話作りという点では、特に前半の「大覇星祭編」が印象に残った。
 序盤はこの一件の黒幕を食蜂 操祈のように見せるミスリードで引っ張り、以後は御坂 美琴と
妹達に対しての木原 幻生の計画を軸に、ドリーをキーワードにした食蜂と警策 看取の
それぞれのエピソードがあり、最終的にそれが繋がっていく展開はパズルのよう。
 学園都市自体は楽しいイベントの真っ最中の中のサスペンス展開という状況作りも良い。

 本作は今まで以上に脇キャラが印象深く、特に食蜂は全編通じて第二の主人公といった印象。
 食蜂の御坂へのこだわりはドリーを介してのものであることが露わになったが、そういった
キャラの関係性とは別に、自身の能力が起因だと思われる他者を信用しきれない性格などから
すると、御坂のような人間には苛立ち、羨望など複雑な思いがあるのでは?という感があった。

 脇キャラに関しては他にも「天賦夢路編」の序盤では主役感さえあった白井 黒子、
「大覇星祭編」での活躍が光っていた婚后 光子、湾内 絹保、泡浮 万彬、
そして「大覇星祭編」の御坂の暴走に対して、シスターズの時と同様にヒロインを救う王子様
振りを発揮して、改めて禁書の主役であることを超電磁砲でも発揮した上条 当麻など。

 中盤の佐天とフレンダ=セイヴェルンのエピソードでは、アイテムとスクールの去就など、
禁書とセットで理解できる構造になっているところが面白い。
 もっともブレンダの去就を知ってしまうと、本作のほろ苦い締めどころではないのだが。
 ここでは佐天がかなり危険な状況に陥るが、彼女に関しては「大覇星祭編」でも何度か
危ない目に会っており、能力がないこともあって、より危うさを感じてしまう。
 まあ、能力者であっても、中学生が死と隣り合わせな状況にあるという学園都市は改めて
怖い場所だなと思ってしまった。

「天賦夢路編」ではスカベンジャーの存在も忘れ難い。「とある科学の一方通行」では
憎まれ役兼やられ役で終わってしまった感があるが、本作ではシリアスコメディ共々
いい味出していた。
 そんな脇役が活躍しつつも主役の御坂が影が薄くなることもなく、特に「天賦夢路編」の
終盤におけるサイボーグ・ドッペルゲンガーとの激闘は怪獣大決戦といった感じで作画も
含めて圧巻。

2020/11/05
2022/03/28 加筆・修正

投稿 : 2022/03/28
閲覧 : 259
サンキュー:

10

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