遊微々 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
子供が正しく成長するための第一歩は、親が正しく成長すること
原作は未読。でも有名な作品ではあるので、ラストの展開がかなり賛否両論あるとかそういう情報は入ってきてます。
今作で一番重要だと思った点は、親は親になる覚悟があるのかということですね。
ただ子供を生んだだけでは親とは言いません。子供が生まれると、それまで自分のために使えていたお金や時間を子供に回さないといけなくなります。大事なのはこのことに対する心の持ちよう。
子供のために自分の時間を使うことを幸福と捉えるか、それとも子供のために犠牲になる自分を憐れむのか、私自身はここが子育てにおいて最も重要なポイントなのではないかと捉えています。
主人公の大吉がりんに対して向ける姿勢はどうでしたか?彼らは直接的な親子関係にはありませんでしたが、その関係性はまさに真の親子そのものでした。それは大吉がりんに対して自分の時間を使うことに対して、なんら悲哀の感情を抱いてなかったからだと思います。ただただ日々りんが成長していく一分一秒を間近で見届けることに幸せを感じていた彼だからこそ、りんも心を開いてくれたのだと思います。
逆にいくら直接的な親子関係にあったとしても、これが出来ていなければ本当の親子とは呼べないと思うんですよね。残念ながら世の中には表面上は子供のためを謳いながら、その実自分が満足するために子供の教育を実行している人々が散見されます。全員が全員ではないでしょうが、こういった家庭は心を開いた親子関係を構築できないのではないでしょうか。子供って意外とそういうのを感じ取れるんですよ、特に成長するに従ってその異質さはよりはっきりと見えてくるんです。
私自身はまだ親の立場には立っていないのであまり偉そうなことは言えないかもしれませんが、本作を通じて学んだことを後学として活かして
いきたいですね。
しかしりんの等身大の子どもの姿が実によく描かれていた作品だと思います。本当に見てて可愛かった・・・。特に毎回描き分けられるEDのイラスト、素晴らしかったですね。
胸の温まる作品ですので、そういった作品が好きな方は是非一度目を通されることをお薦めします。