シボ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
フィクションなのになんか誇らしい。
子供のころから真っすぐに宇宙飛行士を目指して夢を叶えた弟ヒビト。
そんな有名な弟を斜に構えて観てたものの
遅ればせながら宇宙飛行士への夢にむけて歩みだす兄ムッタ。
序盤は有名な弟に若干の劣等感を抱きながらも、宇宙飛行士へ向けて
チャレンジするムッタの奮闘が面白いです。
実在の宇宙飛行士達も実名で出てきてリアルですね~。
(ぎこちない語り口は本人が声いれてるのかな?)
彼ら兄弟に子供のころから多大な影響を与えたシャロンおばさん
(メーテルの声は優しくて、聞いてるだけで癒されます)
が素敵すぎますね。
JAXAでの宇宙飛行士選抜の過程は、わざとトラブルを発生させる
グリーンカードなるものがあったり、実際にこうなんだろうな~
って思ってしまうくらいリアルに描かれてて、最後まで誰が選ばれるのかワクワクしながら観てました。
ひときわインパクトあって出てくるたびに笑わせてくれる
JAXAの所長さんが良い味だしてるんだよな~。
こんな面白いおじさん、モデルになった人いるなら観たいかも。
ムッタ達の選抜が続く中でヒビトの打上げが迫ってきます。
ここまで話数を重ねて観てきた兄弟の想い、訓練とかいろいろ
積み重ねて観てきたので、発射を見守る家族ではないけど
打上げの瞬間は感動で思わず涙出そうになっちゃいました。
フィクションなんだけど、宇宙での実況シーンや月からの中継は
実際にその歴史に立ち会った感覚(家で生中継を観てるような興奮)
があって、ヒビトが宇宙飛行士として、堂々としてる姿は日本人としてなんか誇らしく感じちゃいました。
ヒビトの月での一歩での一言「いえ~~い!」はもはや実際に日本人
としての歴史に残る言葉ってことで良いんじゃないってくらい
記憶に残ってます。
月でのヒビトの遭難の話はヤバかった~~。
月面での遭難は、正に死と隣り合わせで、日陰ってだけでもう
凍り付く世界。次々と襲う困難な状況に、まさかとは思うけど
もしかしたらヒビト死んじゃわないよねってめっちゃハラハラしながら
観てました。
ダミアンと共に生還するために可能な限り手を尽くす姿に、ヒビトが
若くして宇宙飛行士に選ばれたのも納得です。
追い詰められた厳しい状況の中、ムッタを含めてみんな
(死んでしまったブライアンまでも)の総力でヒビトが奇跡的に
生還した時は本当にホットしたしめっちゃ感動した~。
現実の世界でもたくさんの宇宙飛行士の犠牲を乗り越えて前に進んできた歴史もあるし、そんなことが頭にあるから余計に胸にきますね。
ヒビトが無事に地球に戻ってきてからの後半は、
いつも兄弟を優しく励まし続けてきたシャロンの病状の行方に
ハラハラしながら観てました。
ピアノの鍵盤が重くて引くことが出来なくなったシャロンにムッタと
ヒビトがキーボードのプレゼントが被ってたのにはやられました。
「あ~、なんて兄弟なの~><!」 ダメだ~ こんなの泣く~!!
シャロンとの約束を果たすために覚悟を決め、簡単ではない月への
道を歩み始めるムッタ。 成長する姿は熱いですね。
早いうちに月へ行く夢を叶えたヒビトも試練が訪れます。
ヒビトのパニック障害をロシアの飛行士イヴァンが家族のように
支えるエピソードも素敵でした。
イヴァン、おっさんなのにとてもカッコ良かった。
宇宙へ行った飛行士にとって、たぶん国籍、人種なんて小さいことなんでしょうね。
皆が空を見上げて宇宙的な視野で物事を考えてたら国境間の争いも少しは緩和するんじゃないですかね。
コロナを前にしても世界が結束出来てないのが現実ですけど。
宇宙飛行士達が繋いできた歴史や縁に
ついて、とても深く描かれてて話数が進むとともに新たな感動を
与えてくれます。
脇役かなって思ってたおっさんまでみんな感動エピソードあるし。
それにしてもブライアン、エディ、
こっちの兄弟もカッコ良すぎだし、何度泣かせるんだよ~~。
ヒビトとムッタがともに月に立って、本当の宇宙兄弟になって
シャロンの夢を叶えたりしちゃったら絶対泣くだろうな~~。
あ~続き観たいなって思わせる素晴らしい作品でした。