レオン博士 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
バグは世界に不要なのか?
1話だけ見ると意味不明なアニメだけど、3話まで見れば自分に合うか合わないかだいたいわかるかも
でもご飯食べながら見るのはやめたほうがいいです
話によっては、すごく汚いシーンとかエピソードも多く、ご飯がまずくなりそう
作画、世界観、キャラクター、メッセージ性。すべてがレベルが高くて意欲的に作られた良い作品ですね。
このアニメの素晴らしいところは、その世界観の見せ方にあります。
第一話では意味不明な世界観ですが、それを少しずつ視聴者に見せていくことで、視聴者を引き込むことに成功していると思います。
1話切りされるリスクも高くて諸刃の剣ではありますが、3話くらいまで見ればこの作品の面白さに気づくのではないでしょうか?
{netabare}
AIとかMMOとか出てきたので、バグというのが文字通りの意味だとわかりましたが、世界の真実に気づいたらバグ、システムに逆らったらバグ、やってはいけないことをしたらバグ、外部から侵入したらバグ。
確かにゲームを運営する側の視点だと、どれも不要で排除すべきものなんですよね。
だから、デカダンスのシステムの行動は間違ったこととは言えないのかも
MMOで言うなら、チート行為とか、RMT行為とか、アカウント停止。
これを生きている人間で行うとこのデカダンスという作品のようになる。
スクラップにされるのはただアカウントを削除されるだけでなく、AIにとっては存在そのものを消されることになる、ボタン一つで跡形もなく消される。
そこで、ジルの言葉を借りるなら「すべてを管理しようなんて傲慢」なのかもしれない。
すべて自分のプログラムに従って動く従来の古いゲームならともかく、プレイヤーやAIがそれぞれ意思を持って動いているものを管理者が意のままに管理することは正しいことなのか?という疑問を投げかけているのだと思う。
SAOやデカダンスのような規模のまるで生きているようなゲームが登場する未来が訪れるのかどうかは不明ですが、AIが意思を持つということは、そのAIに人権を認めるのかどうかという問題にもつながる。
そして、そのAIに人権は認めないというのがこのデカダンスの世界観だった。
この作品を見た後、それでもAIはただのプログラムで人権などないとあなたは考えるのか、それとも意思を持った以上、人権があると考えるのか。
凝り固まった価値観をほぐすにはちょうどいいアニメなのかもしれません
{/netabare}