take_0(ゼロ) さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ジャンプの三大原則+α(アルファ)
2020.10.31(土)、遅ればせながら映画館へ観に行ってきました。
私の行った映画館では朝一で予約を入れて、お昼過ぎの上映にての視聴でした。
館内は炭次郎柄ならぬ市松模様状態でしたが、満席でした。
例によってストーリーについては多くを語るつもりはないのですが、
アニメ映画として、視聴の価値はある映画だと思いました。
まず冒頭のプロローグの映像で既に、並々ならぬ気合を感じました。
一瞬実写かと思いました。
揺れる木々の枝葉の表現、誉め言葉として「まともじゃありません」
いったいどれほどの努力と情熱を傾ければあれほどの映像になるのか・・・。
私はTVシリーズ1期は某アベマなTV等々で視聴済みで(レビューは書いていないのですが)、原作は未読、話題になった連載最終話だけ、欲求に負けて閲覧済みです。
正直、この映画を視聴して「原作未読で、メインストーリーを把握していない自分GJ!!」と思いました、割とマジで。
恐らく・・・ですが、映画の上映後にでも2期、またはそれ以降の予定も見えてくるのではないでしょうか、私はあえて、今後のアニメ化されるであろうストーリーをあまり知らない状態で観れることを楽しみにしたいと思っています。
元気で、長生きせねばw
さて、この作品を観終わって、
私的に鬼滅の刃が広く愛されている理由がいくつか見えてきました。
コロ助下での世界の変化、環境の変化の中での、人々のストレスなども一因としてはあるとは思うのですが、
俗に言われているジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」にプラスアルファされている要素がその大きな要因ではないかと思ったのです。
それは、TV作品以上に、この作品内で表現されていました。
あくまでも私理論ですが、
それは「(本当の)優しさ」と「人の思い」です。
この鬼滅フィーバーの中で、インタビュー等で鬼滅の魅力について少なくない方が「炭次郎の優しさ」と答えていました。
これは、家族、仲間、そしてその他の人物に対して向けられる炭次郎の姿勢に表れていると思います。
また、今回の煉獄杏寿郎についても、そのことが言えると思います。
お館様の隊士への思いもそうでしょう。
そして「人の思い」
これについては、TVシリーズ内でも多くの人の思いが表現され、繋げられてきました。もちろん、これは「鬼滅の刃」以外の作品でも同様に当然に盛り込まれてはいると思うのですが、
この鬼滅の刃内では、特に強く、太く描かれていたように思いました。
それは、炭次郎自身が家族、仲間へ発信し、そして炭次郎自身が仲間、家族から受け取るシーンはもちろん、隊士同士、過去の隊士から、未来の隊士へとも繋げられています。
この作品では、煉獄杏寿郎から若い炭次郎、善逸、伊之助、そして禰豆子への熱く太い「思い」が描かれていました。
私はこれは、昭和、平成、令和と時代を経る中で大きな価値観の変化があったのではないか、その象徴として今回の鬼滅の刃の社会現象とまで言われる状況があるのではないか、と思っているのです。
正直、TVシリーズから今作までのストーリーの間にも、長く漫画、アニメを観てきたオジサンからすれば、「あ~」と似た要素、部分を持つ作品は頭によぎることは無いことは無いのです。
また、今作視聴中にも私の性格のひねくれたところなのですが「ここで、泣かせにきてるな」とか「ポイントポイントでくどいほど熱いセリフを入れてきてるな」とか思いました、思いはしましたが。
しかし、これは些末なことです、今までのこの作品をディスる要素にはなり得ません。
これらを踏まえた上でも、私は、今作で何度も泣きそうになりました。
(連れがいたので、耐えましたが・・・w)
さて、私の謎理論の披露はここまでとして、
煉獄杏寿郎・・・素晴らしい男ですね。
実は、この作品を観るまでは、どちらかというと苦手でした。
ひん剥いた目とド派手な頭髪・・・。
原作を読んでいないこともあるのですが、「なんじゃコイツは」という思いが正直なところでした。
しかし、今作を観て「すげぇ!」と思い直しました。
実に魅力的な人間であると・・・。
杏寿郎のバックボーンが描かれるシーンでは、
なかなかにキビシイ思いもしてきたようですが、その優しさ、心の大きさ、強さは炭次郎以上かもしれませんね。
「悪」として強いキャラクタ性を持つ上弦の参・猗窩座(あかざ)を大きな魅力で覆いつくしていました。
猗窩座(あかざ)との戦いの中で切った
人間としての仁義、自分の成すべき責任、
そして、炭次郎、伊之助に静かに語りかける思い。
さて・・・、
私は煉獄杏寿郎の放った言葉・・・
「杏寿郎の人間としての価値観」
「俺は俺の責務をまっとうする!」
≒「自分の成すべき責務とは何か!(リアルな話)
「心を燃やせ」
共感はした、共感はしたが・・・正しく受け止められただろうか。
正しく受け止めるという事は、実行するという事に等しい・・・
さて・・・。
ヤバイな・・・煉獄さんの炎に当てられたか、読み返すのが恥ずかしいくらいだが、このままにしておこう。
惰性でもなく、社会現象、流行りだからではなく、
煉獄杏寿郎を見てきてください。
その価値はあると思いました。
ぜひ機会のあるうちに、映画館で。