シボ さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ベテラン刑事の勘って侮れません。
2012年の作品なんですね。
それにしても舞台である未来(2112年ということらしい)の設定は
今とそんなに変わらないところもあり、すごい進んでるところもあったりで、新旧入り混じった感じで、その世界観だけでも魅了されました。
人員整理するゆるキャラみたいな警察のホログラフィー?が
可愛いんだけどリアルでもそうなりそうで逆に怖い。
物語は公安局刑事課に配属された新人の女性監視官の
常守朱(つねもりあかね)の目線で様々な事件に挑みつつ展開します。
この世界では人の心理状態や性格などを数値化した
PSYCHO-PASSで判断して、その判定によって事件を起こす前で
あっても犯罪者とされてしまうなど、
人が判断していた善悪を完全にシステムに依存してます。
そんなシステムの不条理さ、怖さが、一つ一つの
事件に遭遇するにつけて徐々に、朱が体験することによって
視聴者である自分にも理解出来き、共感します。
1話の最初の事件から加害者の男の判定が追跡中の状況で変わったり、
人質になった被害者の女性までその精神状態でシステムによって
拘束対象と判断変更されたり常にサイコパスの数値が変動するため
緊迫感ありました。
刑事課の人達が持つシビュラシステムそのものの無敵の銃
ドミネーター(声は日高さんなんですね、贅沢な銃だ~)など
出てくるアイテムもカッコいい!
刑事課のメンバー(特に監視官と執行官の関係)がとても魅力的なんだよな~。
特にベテラン執行官の征陸(とっつぁん)と狡噛(こうがみ)は
経験や勘などを駆使して捜査をする姿は、カッコ良くてこの2人で
刑事物を作れちゃうんじゃないかってくらい魅力ありました!
猟奇的な事件が多くて苦手な人(自分も苦手なほうです)もいるかと
思いますけど、展開が面白すぎて気になって観ちゃいますね(笑)。
前半ラストで黒幕の槙島によって朱の親友が殺されてしまう
シーンはちょっと衝撃でした。
友人を殺そうとする槙島へなんどもドミネーターを向けるのに
発射判定が出ずに打つ事が出来ない。
安全装置のない散弾銃を槙島に渡され、システムでなく自分の判断で
殺してみろと挑発されるものの、システムを裏切ることが出来ずに
苦闘しながら目の前で友人を失ってしまいます。
こんなにも切迫したシーンでも自己判断で銃が撃てないって
いかにシビュラシステムが浸透してる世界なんだなって思い知らされるシーン。
そしてあまりに無力な朱の絶望感に涙出た~。
前半EDのEGOISTの「名前のない怪物」はとっても雰囲気にあってて
毎回聞くのが楽しみでした。
Netflixで観てるとちょいちょい勝手に飛ばされ
かけるので、ちょっと待った~~って慌てながらリモコン操作してました(笑)
後半は槙島がシビュラシステムの世界を破壊すべく色々と
仕掛けてきます。
そしてシビュラの真相にたどり着いた槙島。
彼らを追っていた、かがりが局長(シビュラ)に
殺されてしまいます。
自分達が得体のしれないシステムに従属していた事実に
「くそ野郎~~」って死んでいくかがりのシーンは本当に背筋が
ゾクゾクっとくるくらい衝撃だったし、かがり死んじゃったよって
悲しかった。
槙島を取り込もうとして逃がしてしまってからのシビュラシステムは
朱に真実を明かして協力をせまったり
正体がわからなかった時より若干、詰めの甘さを感じるしょぼい
システムな感じがしちゃったかな。
後半は槙島と狡噛の頭脳戦。
追い詰める時に流れてくるBGMもドラマ観てるみたいでハマります。
シビュラの真実を知った朱もシステムと取引きするほどになっていて
めっちゃ頼もしく奮闘してます。
あれだけの殺人を犯す槙島は許せないやつだけど、シビュラについて
ぶっ壊すという点については納得してしまうし、
なにより、強くて頭が良くてなお銀髪(全体的に白のイメージ)で
イケメンなキャラは敵だとしても魅力あります。
思考を読み合う狡噛(全体的に黒のイメージ)との対決は常に
興奮したし背筋ゾクゾクでした。
この2人は白黒のイメージもそうですが表裏一体でどちらもカッコ良くて
シビュラシステムが役不足に思えちゃうくらい凄みありました。
未来設定なのに、結局は一対一のタイマン、武器はナイフってのが
渋くて良い。
槙島との戦いのさなか
宜野座を命がけで守って死んでしまうとっつぁん。
この未来の世界である意味一番人間臭くて良いおやじだったのに
死に方までカッコよすぎだよ~~。
かがりに続いてとっつぁんまで。
まじでこれ以上メンバー死なないで~って観てました。
槙島を殺した狡噛は最後まで生きててくれましたね。
次のシーズンも出てくるのかな?
結局何事もなかったのように残ったシビュラシステム。
その真相を知ってしまった朱は今後どうするのか気になります。
新人監視官に指示する朱(すっかり一人前以上の監視官です)。
執行官になった宜野座を含めた新しい刑事課の姿を描いたラストは
次を期待させるに十分な終わり方でした。
あと後半ED「All Alone With You」ももちろん飛ばさないで
欠かさず聞いてました。こっちもカッコいいんだな~。
EGOISTが好きで正直、楽曲あるだけで冷静に判断できないで
評価上げちゃってるとこあるかもです(笑)