Fanatic さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
10話までとそれ以降では別物
衝撃のラストで有名なエルフェンリートと同じ、岡本倫さんの原作ということで興味を持って視聴しました。
結果、とても評価の難しい作品でした。
というのも、10話までと11話以降が、まるで別物のようだからです。
序盤~中盤、主人公の村上良太がさまざまな事件に巻き込まれていきますが、重要な決断を結構あっさりと決めていくので、展開がちょっと強引かな?という印象。
ただ、そのぶんテンポもよく、ギャグとシリアスのメリハリもきっちりできていたと思います。
佳奈のキーボードは感情も表現できるの?とか、敵が間抜けすぎない?とか……細かいツッコミはいろいろありましたが、流れで見ればかなり楽しめる内容でした。
主人公の良太以外、主要人物は全員女の子。
当然のごとくハーレム展開になんですが、良太がみんなの為にひたむきに頑張るので、ヒロインたちから好意を持たれることにも不自然さは感じませんでした。
お色気シーンがちょっと多すぎかな?とは思いましたが、物語の中で機能はしていたので、個人的には許容範囲かな。
OVAの11.5話は、裸エプロンに、長風呂我慢対決、マッサージ対決と、明らかに狙っていた内容ではありましたが(ˊᗜˋ;)
問題は、11話以降にいきなり展開が駆け足になったことです。
(作画もかなり崩れていたような……)
気になって調べてみたら、10話までは原作の4巻分の内容でしたが、11~13話は原作の6~7巻分くらいの内容を詰め込んでいたようです。
放送当時は、分割2クールの予定だったのが急遽1クールになって、11話~は超展開になった、なんて都市伝説がまことしやかに語られていたそうで……。
原作コミックを読んでいた方にとっては、まるでダイジェストのような内容だったらしいですね。
{netabare}11話以降、次々と悲惨な死を迎えるヒロインたち。
友達になれたのに、みんなの記憶ごと消滅する奈波。
良太を助けるために、自分の命と引き換えにする初菜。
皆の未来を守るため、自らイジェクトを選択する小鳥。
そして、敵の攻撃から寧子を助ける為に盾になったカズミ。
それぞれ、きちんと描けば感動的なシーンになると思うのですが、駆け足なので、余韻も何もなく淡々と退場していきます。
初菜なんてほぼ空気でしたね。
良太たちがヘリで移動した決戦の地なのに、最後のピンチでかけつけたのは留守番をしていたはずの加奈。どうやってここまで来たの!?
しかも体は動かないはずなのに、予知の力を失う代わりに歩けるようにしたとか、そんな設定あった?
最後の戦いに勝利してエンドロール。
二つの墓の前で手を合わせる良太。
あのお墓は、小鳥?カズミ?それとも、初菜?……と思っていたら、ラストでは天体観測をする良太、寧子、佳奈、カズミ、初菜の姿が。
?????
死んだはずの人が、なんで?
とにかく、訳が分からなすぎていろいろとググッた結果、いくつかの謎が解決できました。
どうやら、原作コミックやDC版最終話を見ていないと、TVアニメ版だけではなかなか理解が難しいようです。
■佳奈を歩けるようにした影の正体は?
→初菜のようです。良太の傷を治して溶けたように見えましたが、再生の能力で生き返ったようです。
■なぜカズミと初菜は生きていた?
→生き返った初菜が佳奈とともに駆けつけ、カズミのことも助けた。
■記憶が戻った寧子の記憶が再び無くなった訳は?
→ラストバトルで大きな力を使った(マイクロブラックホールを生成した)せいで。
■エンドロールに出てきた二つのお墓は誰の?
→小鳥と奈波?もしくは小鳥の友人の千絵?
■動けるようになったはずの佳奈が、EDで再び車椅子に乗っていた理由は?
→リハビリ中のため
■寧子が見せたかった宇宙人の証拠とは?
→不明
■子供の頃に死んだはずの寧子が生きていた経緯は?
→不明
私がサッと調べた範囲ではこんな感じでした。
詳細は原作コミックを読んだ方が良さそうですが、私にはその元気はないようです。
無理矢理詰め込んであんな幕引きにするなら、もう少し手前の切りの良い部分までを丁寧に作って終わらせた方が、コミックの売り上げも伸びたんじゃないでしょうか。{/netabare}
酷い終わり方の作品は数ありますが、中盤までは良作だっただけに、終盤が本当に残念な迷作でした。