waon.n さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
オリジナルアニメはやっぱ良い! とりあえず笑えばええんやで!
【First impression】
MAPPAのオリジナルだろ? ゾンビランドサガのように突拍子もないおもしろいものが観られると胸躍らせるしかない。
からの~。一通り観てみて、うん、面白かった。そしてレイチェル可愛いし、良い娘。良い意味でも悪い意味でもちゃんとアニメしていたのも良かった。
しっかしなぁ。なんか足りないのよね。全然足りない。何が足りないかって? そう、あれです。
【Story synopsis】
今は昔2002年の物語。日本体操界を背負っていた男もケガに苦しみ成績を残す事ができなくなり、ついには引退を決意する。
しかし、ある出会いをきっかけに引退会見でまさかの引退しません宣言をする。この物語はそんな引退ザムライが体操ザムライとして復活するまでのエンドロールを見守るそんなアニメである。
【Staff】
制作会社 MAPPA
原作 スナックマリー
監督 清水久敏
シリーズ構成 村越繁
3DCGディレクター Nat Anuntkosol
声優陣 とっても豪華
MAPPAオリジナルという事で原作は本作品内に登場したスナックマリーが原作者となっていますね。遊び心でしょうか。みんなで考えたんかな。
内部事情知らないので憶測ですが、やっぱりシリーズ構成の村越さんが全体のプロットを書いて、各話脚本家に任せ、それに合わせて絵コンテにするって順番なのでしょうか。そんな感じなんじゃないかなって思っています。
監督はもともと演出畑の清水久敏さん。絵コンテも一緒にできる方のようですね。あまり動きを作れないシーンやカットでもパンを使ってスピーディーに話が進んでいるように見せるのが上手いという印象がありますね。逆にしっかり聞いて欲しい点ではあまりカメラを動かさず表情の変化などを見せる。目の演技なんか良いですよね。
今回気になったのが体操3DCGで検索しても引っ掛からない。ちょっとどんな人? もしくは会社なのか分かりませんが、体操の演技がとても良くできていると感じました。もちろん体操監修者もいて実際で見る体操と遜色ない出来栄えでした。さらにはカメラアングルなど工夫されているのである意味では実写よりもカッコいい。まぁ実写にはこればっかりは勝てませんが。
【Review】
とってもレビューするのが難しいと感じます。というのも、軸がはっきりしないんですよね。引退を考えた選手が復活するまでのサクセスストーリーにするのか。また、家族ドラマにするのか。挫折したダンサーがもう一度立ち上がるためのドラマにするのか。
ざっくりするとこの3つがストーリーとしては同時に動いているわけですね。個人的にはスナックマリーではたらくあゆと滝沢の恋の行方も気になるところなのですが、まぁサブストーリーですよね。
この物語で重要なのは3つの柱を一つにまとめるという点に尽きると思います。上手くハマっていれば傑作になった可能性は大いにあるかと。しかし、実際にはハマっていない。ように感じます。
全体的にバランス良く話は進み、まとまっているので、構成としてはしっかりと練ることができていると感じます。
どうしたら良かったのかを考えてみると、6話“親子ザムライ”のタイミングでしょうかね。話の流れとしてはここに置くのが正解だと思いますが、中盤の盛り上がりのココが結構ターニングポイントになっているように感じました。正直、あまりのレイチェルの良い子っぷりに感動してしまいました。こんな子供いるわけない! と見終わったら冷静になりもしましたが、いや良いんだよ、この物語にはいるんだ! ってなりました。本当にここの脚本好きです。
思い切って6話と7話の話を入れ替えるのも悪くない。まぁ合宿に行くことになり誕生日がーとかいう話になるので、内容も少し変わってしまいますが……。などと考えてみてもやっぱり、それでどうにかなるわけでも無さそうな気もするし。
キャラの個性に物語の普遍性が負けてしまっている。キャラが上滑りしているようにも感じますね。やっぱりレオはどうしても“おかしい”いつまでも物語になじまないんですよね。鈍感すぎる主人公も面白いんですが、浪川がハマりすぎて逆に本当に何も考えてないやつにしか見えない。
だからなのかどこに視点をもってみたら良いのか分からないくなり、結果3つのストーリーが上手く絡まりあい一つの軸を作れなかったのではないでしょうか。
でも、この作品の面白い所って多分これまでにこの時代背景で物語を描いている点ですよね。これって私的には初の体験ですかね。もう少し古くなると『イェスタディをうたって』『ハイスコアガール』あたりまえですが、その当時にその当時のモノを扱っていては意味がありません。
今の時点でこの2002年という年を描くことがポイントですかね。ベッカムヘアーとか携帯の着メロとかガングロギャルとかカラーギャングっぽいのとか、OPも上海ハニーなもんで懐かしいなーなんて思ってしまいます。ちょっと前と感じていたものがもう昔なんだとアニメを通じて身に染みてしまう。年とっちまったなぁ。
こういった時代背景を映すことでリアル感というか没入感に浸れるというのも一つの演出なんだなって思いますね。
トータルすると結構面白いんですよね。好みでもあります。
ただ、おススメするアニメかどうかってぇなるとちょっと何かが足りない。その何かって何だろうと考えてもう一周……ともならんし。
清水久敏さんの演出を再確認するために『異能バトルは日常系のなかで』をみてやっぱあれ面白いわーってなったのは副産物でしたね。
あとEDも好きです。いしわたり淳治さんってやっぱり天才なのかな。
それとね! 荒垣BB(ビックバード)が山口勝平さんだったというのも衝撃です。「笑えばええんやで」レイだから? レイだけに? そのためにレイにしたのか? なんて考えるのも面白かったです。
作りたいものが作れている感があってオリジナルアニメはやっぱいいな。
【以下は1話観た時に思わず書いてしまった、浪川大輔大好きが溢れてしまった時のレビュー】(そのためタイトルは変更してます)
声優浪川大輔という声優は好きなんですが、ハマる時とちょっと違うんだよなぁという時とある。キャスティングに違和感を感じやすい声優です。
最近では『ヴァイオレットエヴァーガーデン』のギルベルトや『機動戦士ガンダムUC』のリディや『ハンター×ハンター(2011)』のヒソカ(前の声優がハマりすぎ)あたりは違和感がありました。
逆に超絶ハマっている役もあるので、物凄い期待の反面ちょっと名前が出ると不安も感じる声優の一人です。
こういった声優はとても貴重で演技の上手い下手ではなく、印象に残りいつまでもキャラのイメージから離れないと感じます。女性だと小見川千明もこの
貴重なタイプだと個人的に感じており、益々のご活躍を期待しています。
いきなり声優の話をするのは始めてじゃないかと思いますが、というのも1話目冒頭から声で浪川大輔だと分かりました。
期待と不安とが交錯するわけです。さて、どうなるんだろうと思って1話の最後まで観たら、これはハマり役の方だと感じましたね。
というわけでとりあえず、次回から楽しみにしています。