まつまつ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
自分のやりたい事って何だろう?と考えさせられた作品
ヒロインであるナツメの戦闘員として父の敵でもあり、人類の敵であるガドルを倒して世界を平和にしたいという気持ちや、弱い自分を変えて強くなりたいという気持ちは良く分かる。
でも自分が出来たから、そうしたいからと他の人にも強要しようとする性格は正直自分には受け容れられない。
ナツメについていけないと拒絶した友人であるフェイの様に、誰もが世界を変えたい訳では無いし、その為に多大な労力を使う位なら現状維持のままで良いという考えの人間の方が大半だろうし、誰しもが強い心を持っている訳では無い。
でも、何かを変えようと行動する人間はナツメ位の強引さが必要なのも分かる。
カブラギはそんなナツメの行動に生きる目的を見出した訳なので、ナツメの考えもフェイの考えもどちらも間違ってはいない。
実際はナツメの様になりたくても殆どの人は無理だと諦めてしまっているのが正解なんだろう。
目の前に強大な力が立ちはだかれば、やってやると諦めずに立ち向かう人間よりは、絶望感を覚えて装甲修理人として人生を終わらせようとするカブラギのようにならざるをえなくなるんだよ現実は。
話の内容としては、近未来SF的な感じで、人間が自分達が中心の世界で、自分の意思決定により生活を送っていると思っていたが、実はサイボーグが楽しむ為のテーマパークの中で完全に造られた世界で生活をさせられていたという、まぁ猿の惑星とかBLOODシリーズ的なやつで、サイボーグがデカダンスにログインする義体は攻殻機動隊的なやつで、デカダンスの正体はサイコパスのシビュラシステム的なやつと勝手に解釈して観ていた。
バトルシーンとかの世界観に対して、サイボーグの姿が可愛らしいのでそこは賛否が分かれそうな描写だと思った。
かの力が使う武器ももうちょっとバリエーションに富んでいると良かった。
ラストは真のハッピーエンドとは言い難いが、バッドエンドでも無かったので悪くない終わり方だった。